オーストラリア競泳男子代表のホートン選手が、中国の孫楊選手について、「薬品使用の詐欺師」と表現した事件について、 国際オリンピック委員会(IOC)は、「さらなる調査が必要」という立場を示している。新華社が伝えた。
6日夜開催された競泳男子400m自由形決勝、ディフェンディングチャンピオンの孫楊選手は、ホートン選手に僅差で敗れ、銀メダルに終わった。試合終了後、ホートン選手は、孫選手を「薬品使用の詐欺師」呼ばわりしたことについてコメントを求められ、「私がこのような言い方をしたのは、孫選手には薬物検査で陽性反応が出た前歴があるからだ。孫選手に限らず、そのような薬物違反者が今大会に出場していることについて否定的に思っている」と強調した。
オーストラリア競泳チームは6日、2個の金メダルを獲得、早くも2012年ロンドン大会の成績を超えた。4年前のロンドンでは、オーストラリア競泳は、個人で金を1個獲得しただけに終わり、国民から不満が噴出した。その後の調査の結果、オーストラリア代表選手の多くが、ロンドン大会のトレーニング基地で、睡眠導入剤Stilnoxを服用していたというスキャンダルが発覚した。Stilnoxは、オーストラリア五輪委員会に使用を禁じられている。競泳の名手グラント・ハケット選手は昨年、この睡眠薬の依存症治療を行ったという。
中国競泳協会は7日朝、ホートン選手が孫楊選手を「薬物使用の詐欺師」呼ばわりしたことについて、オーストラリア競泳連盟にメールで抗議の文書を送った。この文書には、「この2日間、オーストラリアの競泳選手が、悪意に満ちた愚劣な言行で中国選手に対して攻撃したことを、我々は非常に重視している。その選手の誤った言論は、中豪両国競泳界の互いに対する感情を大きく損ない、オーストラリア選手のイメージをも損なった、きわめて素質と教養に欠けた振る舞いであると認識している。我々はこの選手が謝罪するよう強く求める」と示されていた。
解放日報の報道によると、孫楊選手は2014年、全国大会に出場した際に、薬物に対する陽性反応があった。この事件は、世界水泳界で孫選手を妬む人々や彼らの背後にいる海外メディアにとって、決して見逃せない恰好のスキャンダルだった。オーストラリアのメディアは、2014年からずっと、「薬物使用の詐欺師」というレッテルを孫選手に貼り続けた。孫選手は「誤用」しただけに過ぎないという事実が世界アンチ・ドーピング機関(WADA)に認められ、彼に対する処罰が行われない決定が下された後でさえも、この攻撃は止まらなかった。
さらに重視すべきは、孫選手が誤用した「トリメタジジン」は、2014年は「使用禁止」リストに掲載されていたが、2015年にはそのリストから外され、アスリートが心臓代謝の調節薬として使用して問題ないことが正式に認められたことだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年8月8日
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