中国新型無毒・無汚染大型ロケット「長征5号」が3日、文昌衛星発射センターから初めて打ち上げられた。中国次世代ロケットの基礎をなすこのロケットには、10の「最も」な特徴がある。人民網が伝えた。
◆最大のロケット
宇宙事業関係者は長征5号を「大型ロケット」と呼んでいる。長征5号は中国が開発した離陸重量が最大の、技術を最も広く応用した、積載能力が最大の大型ロケットだ。全長は20階建ての高さがあり、筒の直径は5メートルにのぼる。長征5号が製造される前までは、中国現役ロケットの最大直径は3.35メートルのみだった。
◆最強のロケット
長征5号の離陸重量は約870トン、積載能力は低地球周回軌道で25トン、静止トランスファ軌道で14トンで、現役の長征3号乙ロケットの2.5倍以上になる。
◆最強のエンジン
大型ロケットには大推力が欠かせない。長征5号の離陸時の推力は1060トンで、主に液体酸素・ケロシンエンジン8基から得られる。120トンの液体酸素・ケロシンエンジンは、どれほどの威力を持つのだろうか。専門家によると、このエンジンから生まれる気圧は最大500気圧に達するが、これは上海・黄浦江の水を標高5000メートルのチベット高原に打ち上げるほどの力に相当するという。
◆最も冷たい
長征5号は無毒・無汚染のマイナス183度の液体酸素、マイナス253度の液体窒素を推進剤としている。そのため「冷たいロケット」とも呼ばれている。
◆最もかっこいい
これまでの長征ロケットと比べると、外観の最も際立った変化はカウルで、特別に設計されたフォン・カルマン曲線を採用。4つのブースターの頭部は斜めに切り落とされたような形をしており、見た目が美しく、空気抵抗を弱めることで積載能力を高める。
◆信頼性が最高
長征5号は新技術を採用したが、その設計上の信頼性は最も高い。中国現役ロケットの設計上の信頼性は最も高いもので0.97だが、長征5号は0.98。
◆最も複雑
従来の長征ロケットの部品は多くても数万点だが、長征5号は十数万点に達する。その設計量はこれまでのロケットの3.5倍以上。
◆開発期間が最長
長征5号は2006年、国によって開発が正式に認められた。しかし設計方針の提案に関していえば、80年代まで遡ることができる。
◆国産率が最高
これまでのロケットと比べ、長征5号は新たに開発されたロケットであり、重要技術の完全に独自な知的財産権を持つ。ロケットは247件の重要新技術を採用し、新技術の比率が高い。世界で開発される新型ロケット(宇宙船を含む)の場合、新技術の比率は通常30%未満だ。
◆最も先進的
長征5号の開発は、長征ロケットのアップグレード・モデルチェンジを象徴し、開発プラットフォーム及び産業チェーン全体の更新を促した。国防科技工業局チーフエンジニアの田玉竜氏は「新型ロケットの新技術の応用が占める比率は通常30%未満だが、長征5号は90%から95%に達する。長征5号は中国ロケット技術の最高水準を示す」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年11月7日
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