「5分外出しただけで、2時間は汗が流れ続ける」というのは、耐え難い真夏日に人々がよく口にする冗談になっている。汗だらけになる天気の日に、ソフトドリンクはエアコンに次ぐ携帯型の「消火器」のようなものだと言える。科技日報が伝えた。
国家統計局のデータによると、中国の昨年の一定規模以上のソフトドリンク生産企業の資産総額は、前年比4.98%増の4839億2900万元(1元は約16.45円)に達した。うちフルーツドリンク資産は10.07%増と、最も成長が著しかった。
データは別の角度から、人々の心理を反映している。炭酸飲料やジュースなどを摂取すれば、高カロリーで肥満や糖尿病になりやすく、歯の健康を損ねることは知っての通りだが、水を飲むのはあまりにも味気ないという点だ。いかに健康的に水分補給するべきかという問題に、全世界が頭を悩ませている。そしてこの悩みが新技術を生んだ。「砂糖撲滅」を掲げるザ・ライトカップ社の創業者のアイザック・ラビCEOは、甘い飲料の新たなブームをけん引しようとしている。香りの出るカップでただの水をジュースと感じさせるように脳を騙すというものだ。
ラビCEOは、発明したこのザ・ライトカップが、ただの水を「ジュース」に変える秘密を説明した。原理は単純だ。人間が味を感じるのは、嗅覚と味蕾の共同作用の結果だ。うち嗅覚は味の8割を担っている。そのため風邪で鼻が詰まると、食べ物の味がなくなったように感じる。
ザ・ライトカップはこの原理を利用し、材質に果物の芳香剤を使用した。カップの縁には、特許を取得した甘み技術を採用。これを使って水を飲むと、果物の芳香剤と甘み技術により、舌に甘い感覚が生まれる。100%ただの水を飲んでも、脳はジュースを飲んでいると誤認する。
昨年4月、第1陣となる商品が世界各地に発売され、数万人がこの不思議な体験をした。現在、中国オンラインショッピングサイトの淘宝(タオバオ)でも278元で販売されている。
日用品市場研究専門家の楊菲氏は、「中国の飲料業界も成長率低下の新しい発展段階に入っており、差別化による競争が必要になっている。ハイテクを搭載したカップによって、ただの水を飲みたくない人でも、より多く健康的に飲むことができる。これはまた新産業、新ブランドを生み出すだろう」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年7月28日
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