中国において9回目の「防災・減災日」となる5月12日。各地を取材したところ、防災・減災設備の発展、災害対策には、多くの新科学と新技術が使用されていることが明らかになり、これらの科学技術は防災・減災のあらゆる過程においても不可欠となっている。新華社が伝えた。
◆火災現場で大活躍する「ロボット」
年初のある日、湖北省大冶市の華興ガラス有限公司の工場内で「バン!」という大きな爆音が響き、タンクから勢いよく火が燃え上がり、約40台の消防車・レスキュー車、フル武装の消防隊員が直ちに消火活動へと赴いた。
この実戦に即した消防訓練がスタートすると、消防隊員は直ちに被災者の位置を特定し、無事に救出。ところがタンクの火は収まらず、2回目の爆発が発生した。消防隊は全員が直ちに火災現場から避難し、代わりに複数の消防ロボットの出番となった。
火の元から10メートル以内という近距離の「戦闘位置」に移動し、100メートル弱もある5本の高圧水が消防ロボットから火の中央に向かって放水を開始した。その放水量は、消防員が手で持つ消防ホースの8−10倍だ。また泡消火ロボットがタンク内の火の中央に入り、高圧泡消火剤を放出し、タンク内の火を消火。激しく燃え盛る炎はすぐに鎮火した。
これは中国が初めて独自に開発した防爆・消防・消火ロボットだ。高さ1メートル未満、長さ1.8メートル未満と小ぶりな軽戦車のようだが、火の中に入ると大活躍する。一部の大型事故の救助作業において、ロボットは消防隊員の代わりに燃えやすい、爆発しやすい現場に入ることができる。これは消防隊員の危険を減らし、より早く事故現場の多くのデータを入手することができ、的を絞った救助を可能とする。
◆事故を未然に防ぐ災害観測ネットワーク
洞庭湖平原は古くから「天下の食糧庫」や「魚と米の里」として知られる、全国でも重要な食糧生産拠点だ。湖南省気象局の潘志祥局長によると、近年異常気象が多発しており、農業の被害が拡大している。湖南省気象・農業部門は「洞庭湖気候センター」を共同設立し、洞庭湖エリアに1000ヶ所以上の自動気象観測点を設置し、災害観測・早期警戒能力を高めている。湖南省はさらに「直通式」による農業気象サービスを提供し、変化の激しい気候変動に対応しているという。
湖南省益陽市桃江県の多くの農業野菜基地は最近、強風に何度も見舞われているが、農業用ハウスにはそれほど深刻な損傷は生じていない。その理由について、桃江県良友野菜合作社の劉益華理事長は、「気象早期警戒情報が適時発表されているおかげで、事前にハウスを強化し、災害の損失を減らすことが出来た」と話した。
災害観測システムは地震災害救助活動で、同じく重要な力を発揮する。雲南省では近年、緊急災害救助指揮情報システムが構築されている。雲南省地震局緊急保障センターの李永強主任は「このシステムにより、地震災害の評価(速報)を10分以内で実現できる。この指揮・決定システムにより、地震部門は被災地と、周辺の災害救助能力の分布状況を直ちに把握し、同能力を直ちに効果的に調整できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年5月12日
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