近年、中国では、「我在故宮修文物(故宮で文物を修復する私)」、「航拍中国(上空から見る中国)」など、クオリティの高いドキュメンタリー作品が登場し、「我們誕生在中国(Born in China)」「岡仁波斉(Kangrinboqe)」など、ドキュメンタリーの手法を使った映画も人気を博している。中国のドキュメンタリーは、以前に比べて注目され、高く評価されるようになっている。中国青年報が報じた。
中国青年報社社会調査センターが問卷網と共同で2008人を対象に実施した調査では、回答者の90.5%が「近年中国国産のドキュメンタリーのクオリティが以前と比べて向上したと思う」と答えた。
回答者54.8%「中国のドキュメンタリーのクオリティが向上しているのは素材が面白いから?」
「以前のドキュメンタリーは型にはまっていて、堅苦しく、味気なかった。でも、今はドキュメンタリーが好きになった」。北京のある大学の于哲■(■は品の口が金)さんは、ドキュメンタリー「我在故宮修文物」の大ファンで、「全話を3回見た。映画版も公開されてからすぐに見た」といい、「近年、中国のドキュメンタリーを見て、とてもうれしく感じる。そして、ドキュメンタリーもどんどん好きになってきている」と話す。
同調査で、回答者90.5%が「近年中国国産のドキュメンタリーのクオリティが以前と比べて向上したと思う」と答え、うち28.5%が「大きく向上した」と答えた。近年の中国のドキュメンタリーにおいて、クオリティが最も向上した分野は、素材(54.8%)、撮影技術(53.6%)、テーマの選択・企画(52.9%)だった。
「中国のドキュメンタリーで選ばれているテーマがおもしろくなっていると、はっきり感じる」と于さん。「以前はテーマが大きすぎた。一方、今は『舌尖上的中国(舌で味わう中国)』にしても、『我在故宮修文物』にしても、その内容に生活感があり、一般の人も親しみやすい」と指摘する。
回答者40.2%「中国のドキュメンタリーにはまだ改善の余地あり」
調査では、中国のドキュメンタリーに存在している問題について、回答者の40.2%が「製作のクオリティに改善の余地がある」、40.1%が「テーマが限定的」と答えた。山東省済南市のある大学に通う鹿吉穎さんは、「視聴者はまだちゃんとドキュメンタリーを認知していない。そのため、何を見ていいか分からない時でも、ドキュメンタリーを見ようとは思わない」と話す。
中国伝媒大学に通う陳潤林さんは、「昨今の社会に流れる軽い雰囲気が、ドキュメンタリー発展の足かせとなっている。目先の利益を得ようと焦ったり、大衆をあっと言わせて関心を引こうとしたりすると、良いドキュメンタリーを製作することはできない」と指摘する。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年8月10日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn