黒竜江省チチハル市拜泉県の「黒竜江省アヒル・稲共存有機稲中心モデル基地」では、活発で生命力が強く成長しやすく、動き回ることを好み栄養価の高いアヒルが、田んぼ0.06ヘクタール当たり25-30羽放し飼いされている(写真は黒竜江日報より)。
「稲田アヒル」と呼ばれる5000羽以上のアヒルが、正式に「勤務」を開始した。これは吉林省輝南県の稲作農家による今夏の新措置だ。アヒルに除草させ、虫の卵を食べさせるとともに、人が除草し、除草剤などの農薬の使用を避ける。農場責任者は「高基準グリーン栽培により、大自然の恵みに感謝することができる」と話した。人民日報が伝えた。
同じ輝南県で、稲作農家の張明江さんは約8.5ヘクタールの田んぼでカニを放し飼いしている。張さんは「0.06ヘクタール当たり5キロ放す。カニは人間の代わりに除草役になり、農薬や化学肥料を使う必要がなくなる。カニを放し飼いにした田んぼの稲は、0.06ヘクタール当たり2000元(1元は約16.9円)高く売れる」とうれしそうに話した。
田んぼでアヒル、カニ、ドジョウ、ザリガニを放し飼いにする。吉林省ではこの「一石二鳥」を始める稲作農家が増えている。「吉林産米」のブランドを強化するため、吉林省は近年このような取り組みを進めている。これにより吉林産米にグリーンで健康的なイメージを持たせ、さらに稲作農家に副収入をもたらしている。吉林省のグリーン食品、有機食品、無公害農産品、農産品地理マーク(「三品一標」)の栽培面積は、昨年末に約69万ヘクタールに達した。
中国での「アヒル・稲共存」栽培方法は、稲作の盛んな南方地区で生まれた。写真は江西省吉安市遂川県古洲村の生態稲園(写真は広東緑耕社会耕作発展センターのウェブサイトより)。
中国のグリーン・有機食品の需要は急拡大しており、農業も「量」から「質」への重視に転じ始めている。
中国政府が今月発表した文書は、農業グリーン発展の全体目標を初めて全面的に打ち出した。耕作面積を減らさず、質を落とさず、地下水を基準以上に汲まず、化学肥料と農薬の使用量の増加を防ぎ、農作物の茎、家畜の糞便、農業用フィルムなどの農業廃棄物を完全に利用するとした。全体目標はさらに、2020年までの具体的な目標、2030年までの長期目標を設定した。中国農業部(省)の韓長賦部長は、「これは党中央が発表した初の農業グリーン発展関連文書であり、農業グリーン発展のロードマップとスケジュール表を作成した」と説明した。
陝西省楡林市横山区の稲作農家は、稲とカニを同時に収穫している(写真は楡林市横山区人民政府のウェブサイトより)
中国の農業現代化は5年間で大きな成果を手にした。食糧生産量は6億トン以上、野菜・果物生産量は7億トン以上に達した。しかし農業の資源消耗に依存する荒削りな経営方式に根本的な変化は生じておらず、環境汚染と生態退化の流れにブレーキがかけられておらず、グリーン・高品質生態農産品の供給の拡大が必要だ。そのためこのロードマップの発表には重要な意義がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年10月19日
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