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食材そのものの味を活かすことを追求した海南料理「椰子鶏」 (3)

人民網日本語版 2017年12月04日09:16
食材そのものの味を活かすことを追求した海南料理「椰子鶏」
龍泉人の椰子鶏。

細くスライスされたココナッツの果肉とあまり目にしたことのないミニサイズのクワイの実が浮かぶだけというシンプルこの上ない透明なスープに、一口サイズにカットされた文昌鶏(海南島文昌市産の地鶏)を入れ、わずか6分ほど煮込むだけ、これがココナッツの里・海南島の名物料理「椰子鶏」だ。椰子鶏は一見シンプルそうに見えるが、実は決してそうとは言えない。なぜなら、その全てのこだわりと手間を、調理法や調理技術にではなく、使用する食材に込めているからだ。人民網が伝えた。

12月1日、「最高の時と味を愉しむ海南・中外メディア海南グルメの旅」に参加する中国国内外のメディア一行は海口市に到着し、この海南名物・椰子鶏の調理法を見学した。

龍泉人椰子鶏の創始者で龍泉集団ファーストフード事業部行政総料理長の曽海氏によると、椰子鶏のベースとなるスープには、鶏や豚骨などを材料とした出汁や薬膳スープなどではなく、新鮮なココナッツウォーターのみを使用しているため、あっさりしていながら、ほんのりとした甘みを感じることができるという。また使用される鶏肉は、有名な海南島の文昌鶏。文昌鶏は体重1.5キログラムほどとやや小振りで、羽も足も短いものの、つややかな毛並みにジューシーな肉質のニワトリ。その飼育には180日以上かかり、純血種のヒヨコをまず120日間かけて放し飼いにして育てる。その後、鶏肉の味をより向上させるため、60日間かけて鶏舎の中でコメやサツマイモ、ピーナッツビスケット、ココナッツなどを配合した飼料を与え、肥えさせる。

そしてココナッツの実を食べて大きくなった文昌鶏を、ココナッツウォーターで煮込むことで、鶏肉の隅々にまでココナッツの甘みが浸透し、鶏肉のうま味とココナッツの美味しさが一体となり、あっさりとした甘みと、ジューシーながら脂っこさを感じさせない鶏肉となり、そのスープからもほんのりと南国を思わせる甘い香りが立ち上る。このように椰子鶏は使用する全ての食材そのものの味を十分に活かし、中国北方地方の鶏スープとは異なる、あっさりとした食欲を増進させるような味わいとなっている。

海南島は熱帯気候のため、海南料理はあっさりしてさっぱりするような味付けがメインとなっており、椰子鶏はその代表的な料理の一つと言えるだろう。またこうした味付けの料理は、素材そのものの味を保つため、非常に健康的であり、海南料理が美容と健康に良いと言われる由縁となっている。

素材の味を活かし、食材へのこだわりと調理技術を追及する姿勢から、海南の人々の食に対する「匠の精神」を垣間見ることができ、こうした精神こそが素晴らしい「匠の海南料理」を作り上げていると言えるだろう。(文・玄番登史江、張靖)

「人民網日本語版」2017年12月4日


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