四川省と雲南省の境にある金沙江には、両岸をワイヤ―ロープでつなぐ長さ約470メートル、高さ約260メートルのゴンドラがある。このゴンドラは、四川省内の金沙江で使用されている最後の1本となっている。人民網が伝えた。
ゴンドラの西岸は四川省の馮家坪村で、東岸は雲南省の鸚哥村。2メートル四方のゴンドラが親指2本分ほどの太さのワイヤーロープに掛けられており、中央には小指ほどの太さの牽引用のワイヤーロープが掛かっている。両岸の高度には約15メートルの差があり、長さ約470メートル、水面までの高さ約280メートルで、往復には十数分間を要する。ゴンドラの中に座ると、耳には風の音がピューピュー聞こえ、足下はおよそ300メートルの深さの渓谷となっており、両岸は切りたった険しい絶壁となっている。
このゴンドラを生み出したのは蒋世学さん(71)。蒋さんは、「以前、両岸に暮らす村民たちは山を超えるか、川を船で渡らないと対岸へ行くことができなかった。90年代末に県の川沿いに高速道路が建設されたことで、鸚哥村の村民たちにも希望の灯がさした。そのため1999年に村民十数人が協力して12万元(約205万円)を出し合って、ゴンドラを取り付けた。もしゴンドラに乗らずに対岸へ向かう橋の場所まで行こうとすると、丸1日かかってしまう。一番最初はペダル式だったが、その後ディーゼルエンジン式のものに変え、ここ数年では電動のものに変わっている」とした。ここ数年、ゴンドラの料金は1人1回2元(約35円)から5元(約85円)まで値上がりしたものの、蒋さんの収入は増えていないという。道路も通らないこの村の経済発展は遅れており、村民のほとんどが出稼ぎに行き、村の人口は300人にも満たないためだ。
ゴンドラの下流約500メートルの場所には現在、橋の建設工事が進められており、四川省高速道路橋梁建設集団有限公司の同プロジェクト事務所の易小兵主任は、「橋の幅は約9メートル、長さ385.2メートルで、2018年5月に竣工し開通する予定」と話した。橋が開通すれば、ゴンドラを利用する村民もますます減少するだろうが、蒋さんはゴンドラを同地の特色ある観光スポットとして、残していきたいと話している。(編集TK)
「人民網日本語版」2017年12月27日
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