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「空海―KU-KAI―」出演の染谷、中国語漬けのあまり日本語のセリフにパニック

人民網日本語版 2017年12月29日08:33

中国で絶賛上映中の映画「空海―KU-KAI―美しき王妃の謎(中国語名:妖猫伝)」の影響で、同作品で空海役を演じる俳優・染谷将太が話題を集めている。「空海」役のオファーを受けた時の衝撃について染谷は、「自分は空海という高僧とはとても比べものにならないため、正直非常に驚いた」と振り返る。そして1千年前の僧のように、染谷は撮影のため単身訪中し、5ヶ月間滞在し、中国語漬けの日々を過ごしたのだという。その影響で、「日本語を話すシーンが幾つかあったが、内心パニックに襲われた」と笑いを交えて話している。信息時報が報じた。

原作小説は読まずに脚本で「空海」のイメージ作り

「空海―KU-KAI―」の中で染谷は、まるで真相は常に彼の心の中にあるといったような謎めいた微笑みを常に浮かべている。陳凱歌(チェン・カイコー)監督は、「空海の微笑みは日本でもとても有名で、染谷はその特徴を完璧に表現してくれた」と絶賛している。

染谷将太は7歳の時に子役として活動を始め、9歳の時には映画初出演を果たした。そして、第68回ヴェネツィア国際映画祭で、日本人としては初めての受賞となる、最優秀新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。香港地区の映画スターである梁朝偉(トニー・レオン)も公の場で「大好きな日本人俳優」と絶賛している。そんな染谷が空海を演じるというのは、当然のことと言えるかもしれない。しかし、染谷はインタビューで空海役のオファーを受けた時のことについて、「あの時は本当にびっくりした。『空海』を演じるなんて考えたこともなかった。空海は教科書にも出てくるとても偉大な人物だから」とその衝撃の大きさを明かしている。

子供の頃から知っていた空海という僧の役を引き受けた染谷だが空海ゆかりの高野山に行ったり、原作小説を読んだりすることはせずに、脚本を通してその役を理解することに務めたという。「映画の中の空海のイメージと、これまで僕が想像していた空海のイメージは違っていた。でもそれで却って全く新しい空海のイメージを作ることができた」と染谷。

セリフ読みをサポートしてくれた共演者の黄軒

同作品で、空海は単身、唐の都を訪れるが、染谷もまた同様にわずかな荷物で単身、湖北省襄陽市にやって来て、5ヶ月間に及ぶ撮影に臨んだ。この点において、染谷は空海と同じ心境を味わうことができたかもしれない。中国での撮影について、染谷は、「単身中国に来て、中国語のセリフで演技し、撮影の方法も日本とは異なっていた」と克服しなければならない課題も多かったことを語った。

それでも、陳監督と共演者の俳優・黄軒(ホアン・シュアン)があれこれサポートしてくれたということで、陳監督の「さらば、わが愛/覇王別姫(原題: 覇王別姫)」(1993 年)が大好きという染谷は、「現場での陳監督はエネルギーと熱意に満ちており、真剣に演技や役柄を教えてくれた」と振り返る。

黄軒も、染谷自身よりも中国語のセリフの完成度に気を使ってくれたといい、「時々、『明日の準備はできた?セリフは大丈夫?』といったメッセージを送ってくれた。この点で、黄軒は本当に色々と助けてくれた」と染谷。実際には、染谷の中国語のセリフは同作品を見た中国人の観客たちにも認められており、「セリフと口の動きが違う」と指摘する声はほとんど上がっていない。

染谷にとって、同作品の撮影は非常に貴重な経験となり、「陳監督は6年かけて唐の都を作りあげた。この城は非常にスケールが大きく、美しく、初めて『信じられない』という気持ちにさせられた。まるで唐の時代にタイムスリップしたように感じた」とし、「黄軒が演じる白楽天が、城の周りで船に乗るシーンが何度かあったが、船の上で黄軒と一緒に何度もその風景に魅了されていた。遊覧船に乗っているみたいで、とてもおもしろかった」と笑いながら話した。

黄軒との共演シーンで、染谷が気に入っているシーンが3つあるという。一つは二人が出会うシーンで、二つ目は、2人の間に矛盾が生じ、ケンカをするシーン。三つ目は最後の別れのシーンだという。染谷は、「黄軒には、白楽天はこうあるべきというしっかりとした使命感を持っており、それを横で見ていて、とても感動した」と話す。

同作品には、松坂慶子や阿部寛、火野正平といった日本人の俳優も出演している点も注目されている。こうした先輩たちとの共演シーンや日本語のセリフはとてもリラックスできたのではないかという質問に染谷は、「実はとても緊張した。いつも中国語のセリフを話していたので、突然日本語で演技するというのがとても難しく感じられて、内心パニックに襲われた」と振り返った。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年12月29日

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