タイ・チェンライ県で洞窟に閉じ込められた少年サッカーチームの子供たちの救助活動に参加している洞窟救助問題に詳しい中国の譚暁竜氏は4日、「現時点で、子供たちはかなり肉体的に弱っている。洞窟内の状況が非常に複雑であることから、彼らを洞窟から救出する作業は困難を極めるだろう」との見方を示した。新華社が伝えた。
譚氏は、「子供たちが閉じ込められている洞窟内の場所は、比較的安全な場所から約2キロメートル離れており、2キロのうち1.3キロは浸水していて、潜水で移動しなければならない。水中の状況は極めて複雑で、通路は狭く、可視度は低い。救援活動に参加している約300人のダイバーのうち、無事潜水で通り抜けられたのは、洞窟潜水の専門家わずか数人だけ。また、洞窟内の浸水を免れた区間も、石で埋め尽くされており、担架を使用することができないことから、子供たちが体力的に消耗している場合、徒歩での移動が難しい」とした。
そして、「閉じ込められていたのは、11歳から16歳の子供たちで、長時間暗闇のなかで過ごすことを強いられ、10日間ほど食事をしていない。身体的にかなり弱っており、体力が回復するには時間を要するとみられている。子供たちの胃の回復具合を考慮し、現在は栄養補助食品や栄養補給用ゼリーなどを摂取させて体力を維持させている。現在最も大切なことは、救助隊員のサポートのもとで移動できるように子供たちに潜水のやり方を教えることだ。完全に閉鎖された水域内で潜水を行い、かつ短時間で潜水トレーニングを行うことは、トレーナーと子供たち、いずれにも厳しい挑戦となる」とした。
その上で、「子供たちの家族とタイの全国民は、彼らが無事に戻って来ることを切望しており、救出は、万が一にも失敗が許されない。我々は、子供たちが洞窟内での潜水を完全にマスターするよう徹底的に指導しなければならず、そうして初めて、彼らを移動させる段階に入ることができる」との見方を示した。
譚氏が所属する北京平瀾公益基金会洞窟救援隊は、6月29日に救援現場に到着したのち、洞窟内で救援活動を続けている。各国の救援隊員も、昼夜を問わず洞窟内に物資を運び込んでいる。タイ政府は、「より多くの洞窟潜水専門家に救援活動に参加するよう望んでいる」と呼びかけている。
タイ・チェンライ県の少年サッカーチームのメンバー12人とコーチ1人は6月23日、同県にある洞窟に入ったのち、消息を絶った。これをうけて、タイ国内の救援隊と中国や米国の海外救援隊が捜索活動に携わった。捜索隊は7月2日、洞窟内に閉じ込められている13人全員の無事を確認。この洞窟は全長10キロメートル以上あるタイ国内で4番目に長い洞窟だという。洞窟内の地形が複雑であることから、今までに全行程を踏破した人はいない。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年7月5日
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