交通事故に巻き込まれた時に保険会社がヘリコプターによる救援活動を手配した場合でも、もはやそれは、数十万元(1元は約16.8円)に上る「贅沢」なサービスではなくなった。中国人民財産保険(PICC)はこのほど、昨年末にヘリコプターによる救援サービス保証を開始して以来、北京市内で適用条件を満たす15万人以上の自動車の所有者が、ヘリによる救援サービスの対象となったことを明らかにした。北京日報が伝えた。
重大な交通事故が発生し、負傷者が命に関わる怪我を負ったにもかかわらず、道路の渋滞によって救援車両のスムーズな通行が妨げられて救命救急治療が遅れるような事態に陥ったとき、航空救急サービス「空中120番(日本の119番に相当)」が重要な役割を担う。
PICC北京支社は、「弊社は、上海金匯通用航空股フン有限公司(金匯通航、フンはにんべんに分)と提携し、北京における救援用ヘリコプターの機体をこのほどバージョンアップし、新型AW—139医療用ヘリコプターを導入した」とした。AW—139医療用ヘリコプターの最大巡航速度は時速300キロ以上、航続可能距離は最大1061キロメートル、ホバリング状態での救援が可能で、最大3人の緊急患者を収容できる。人工呼吸器やAED(自動体外式除細動器)、シリンジポンプ(点滴静脈注射の際に使用される医療機器)、担架、ストレッチャーなどの医療救援設備と専門救援隊員が配備され、飛行中に必要とされる緊急救命措置が提供されるという。ヘリに搭載された医療設備はまさに「小型ICU」と言えるほどだ。
どのような人が、このヘリコプターによる救援サービスの対象となるのだろうか?また、救援費用は非常に高いのだろうか?PICC北京支社の儲国峰・総経理補佐は、「PICCは、今のところ、北京エリアの自動車保険の特定の顧客を対象に、無料でのヘリコプター救援サービスを提供している。対象となる顧客は、自動車保険の保証期間中であれば、回数の制限なしに、ヘリコプターによる緊急救援・病院搬送サービスを享受することが可能で、超過費用は掛からない。顧客が重傷を負ったとき、あるいは重病に陥ったとき、保険会社のサービスホットラインによってヘリコプター救援サービスを要請できる。つまり、病院に到着するまでのヘリコプターによる救援費用は、全額PICCが負担することになり、ヘリコプターによる救援サービスのハードルを引き下げる結果となった」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年3月12日
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