米国の科学者が2010年に世界初の「人工生命体」を作り出したことに続き、中国人科学者が人工生命体で重大な進展を実現した。世界で初めて人工的に、単一染色体の真核細胞を作り出した。この合成生物学において節目としての意義を持つ科学研究成果は、北京時間8月2日にネイチャー誌(オンライン版)に掲載された。人民日報が伝えた。
中国科学院分子植物科学卓越革新センター・植物生理生態研究所合成生物学重点実験室の覃重軍氏の研究チームと協力者は、単細胞真核生物である天然酵母由来の16本の染色体を使い、整った機能を持つ単一染色体を人工的に作り出した。この完全に中国人科学者が独自に行なった研究によると、天然かつ複雑な生命体系は人工的な干渉によりシンプルなものにすることができ、自然生命の限界を人為的に打破し、さらには自然界には存在しない生命を人工的に作り出すことが可能であることを示した。
自然生命体は真核生物と原核生物に分かれる。前者は線状構造の多くの染色体を持ち、後者は通常、環状構造の染色体を1本しか持たない。覃氏は真核生物も原核生物のように、1本の線状の染色体にすべての遺伝物質を持たせ、正常な細胞機能を発揮させることができるという大胆な仮設を立てた。それから、覃重軍氏の研究チームは16本の染色体を持つ単細胞真核生物の酵母を原型とし、4年間の難関突破に取り組んだ。15本の染色体を融合させることで、最終的に染色体を1本しか持たない「SY14」という酵母菌を作り出した。これは、世界で初めて人工的に作られた単一染色体真核細胞でもある。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年8月3日
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