李克強総理は20日午前に天津梅江エキシビションセンターで、夏季ダボス会議に出席したビジネス、金融、シンクタンク、メディアの各界代表と対話した。新華社が伝えた。
李総理は中国の金融開放、知的財産権の保護、減税と行政管理・サービス関連費用の軽減・廃止、イノベーション起業、世界貿易体制改革などの問題について質問に答えた。世界経済フォーラムのシュワブ会長が司会を務め、中国、米国、欧州、日本などの国と地域から200人余りが出席した。
李総理は中国の金融開放について「一国の金融業の開放の度合いは、その発展段階、経済水準、管理監督能力と密接に関係する。金融の安定を保つと同時に、われわれはさらに金融サービス業を開放し、『参入前内国民待遇+ネガティブリスト』モデルを全面的に実施し、全ての営業許可証の開放と全ての持株比率の開放を秩序よく推し進めることを決意した。現在すでに銀行に対しては持株比率規制を緩和した。今後保険、証券も持株比率規制を撤廃する」と述べた。
減税と行政管理・サービス関連費用の軽減・廃止については「去年下半期から今年上半期、中国の税収はある程度増加した。これは中国経済が安定の中で好転していることの現れだ。今年上半期、工業企業の利益成長率は15%を超え、市場参加者の数は大幅に増え続け、税源も増加した。下半期以降、減税政策の効果がはっきりと現れ、中央と地方の税収の伸びは大幅に減速した。次の段階で、われわれはさらに大規模な減税、さらに顕著な行政管理・サービス関連費用の軽減・廃止を実施する。これには社会保険費率を顕著に引き下げ、企業が身軽になって存分に発展できるようにすることが含まれる。個人所得税の特別控除を公平かつ簡便に住民に適用し、住民の消費能力を高める必要がある。政府が企業を困らせてはならず、人々が良い生活を送れるようにする必要がある」とした。
起業・イノベーションと知的財産権の保護に関しては「イノベーション型社会を築くには、一人一人の潜在的創造力を引き出そうと努力するべきだ。われわれが一連の『放管服改革』(行政のスリム化と権限委譲)措置を講じるのは、一人一人が平等にイノベーションのチャンスを得られるようにし、クラウドイノベーション空間の拡大を大企業に促すためだ。中国の発展への外国企業の参加を歓迎する。イノベーション型経済発展の基礎は知的財産権だ。中国は引き続き知的財産権の保護と知的財産権侵害行為への懲罰を強化する。昨年中国企業が支払った外国特許使用料・技術使用料は世界最高水準だった。われわれは知的財産権の譲渡強制を断じて許さない」と述べた。
世界貿易体制改革に関しては「現在、保護貿易主義が台頭し、多角的貿易ルールの基盤がある程度動揺している。世界貿易機関(WTO)を中心とする多角的貿易体制及びそのルールは、各国が共に協議して築いたものであり、自由貿易の維持がその基礎だ。WTOは必要な改革を行うべきだが、新たに別の物を作るのではなく、貿易自由化という方向を変えてはならない。後発開発途上国を始めとする途上国の利益に配慮すべきだ」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年9月21日
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