李克強総理と各国首脳の集合写真(新華社・申宏記者撮影)。 |
シンガポール訪問中の李克強総理は現地時間15日午前、サンテック・シンガポール国際会議展示場で開催された第21回ASEANプラス3(中日韓)首脳会議に、ASEAN10カ国の首脳及び韓国の文在寅大統領、日本の安倍晋三首相と共に出席した。議長はシンガポールのリー・シェンロン首相が務めた。
李総理は「アジア及び世界金融危機への対処過程で、ASEAN各国と中日韓は鍵を握る役割を発揮した。保護貿易主義が台頭する現在、ASEANプラス3各国は引き続き多国間主義と自由貿易を断固として守るべきだ。現在、中日韓自由貿易協定が着実に進められている。各国が両自由貿易協定をバランス良く推進し、ルールに基づく多角的貿易体制を守るというメッセージを実際の行動によって対外発信し、地域の発展のために安定した、自由で、法に基づく環境を提供し、平和・安定・繁栄を共に促進することを希望する」と述べ、今後のASEANプラス3協力について次の提案をした。
(1)東アジア経済統合の推進。各国はRCEP交渉の早期妥結で合意した。中日韓もより積極的な姿勢で中日韓自由貿易協定交渉を進める。ASEANプラス3経済閣僚会議を通じて各国が緊密に協調し、東アジア経済共同体構築のビジョンと推進の道筋を研究し、この提案を理念から行動へ変えることを提言する。
(2)金融の安全性の強化。チェンマイ・イニシアティブのマルチ化の可用性、有効性、安全性をしっかりと高め、ASEANプラス3マクロ経済研究調査事務局の経済モニタリング能力向上を支持し、地域金融リスクの予防と救済システムを強化する。
(3)イノベーション協力の開拓。イノベーションはASEANプラス3協力の新たな成長源になりうる。中国側はASEANプラス3青年科学者フォーラムを来年開催することを提案する。今年8月に中国の設立するASEANプラス3中小企業サービスアライアンスへの各側の積極的な参加を歓迎する。
(4)包摂的な発展の促進。ASEANプラス3は発展段階が異なり、発展水準が不均衡だ。われわれは包摂的であまねく恩恵を及ぼす発展を堅持する必要がある。第三国協力を積極的に推進し、「中日韓プラスX」方式で、ASEAN諸国と優先的に協力を実施することを検討する。
(5)人と文化の結びつきを強める。中国側は「東アジア文化の都」及び「ASEAN文化都市」を基礎に「ASEANプラス3文化都市ネットワーク」を構築することを提案する。中国側は引き続きASEANプラス3大学学長フォーラム、メディア協力シンポジウムなどの事業をしっかりと運営し、オープンな対話、相互学習・参考の良好な雰囲気を醸成する。
各国首脳は「東アジア協力の主要ルートであるASEANプラス3協力は地域で最も活力に富む協力体制の1つであり、良好な発展基調にある。ASEANプラス3発足以来、地域貿易は多大な成長を実現し、東アジアを世界で最も繁栄する地域の1つにした」と述べた。
さらに、「未来を展望して、各国はRCEPの最終段階交渉を早期に妥結し、チェンマイイニシアティブのマルチ化を推進し、自国通貨の使用を増やし、『中日韓プラスX』、スマートシティ・イノベーション・EC取引協力を拡大し、コネクティビティを強化し、金融・教育・文化・農業・貧困削減・環境・衛生分野の協力を推進することで合意した。また、国際情勢の不確定性を前に、一致団結して共に試練に対処し、多国間主義とルールに基づく自由貿易体制を推進し、地域の平和・安定を維持する」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年11月16日
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