公益財団法人笹川平和財団の笹川日中友好基金は1989年に設立された、中日間の最大の民間基金であり、これまで幅広い分野において中日友好交流事業の促進に尽力してきた。同財団の名誉会長である笹川陽平氏(日本財団会長)は、このほど人民網の取材に応じ、中国を初めて訪れた際の印象、中国のめざましい発展ぶりなどについて語った。人民網が伝えた。
笹川氏は今から40年以上前に初めて中国を訪れた。それが笹川氏にとって初の中国訪問となった。当時の中国は今ほど豊かではなく、街を行く人々の服装は同じ色のもので、自転車の数も非常に多く、人々は自転車で黙々と移動していた光景をよく覚えていると笹川氏は振り返った。また、当時の北京には高い建物はほとんどなく、一番高い建物が4階建ての北京飯店だったという。
中国の改革開放から2018年で40年が経ち、飛躍的な発展を遂げた。笹川氏は、その発展ぶりについて、「多くの人たちの努力により、中国では素晴らしい国づくりが進んでいる。中国の方々が自ら努力し続けてきたおかげで今日の中国が作り上げられたことは間違いないが、中国がまだ貧しかった時代に、日本が援助をスタートさせたこともそのきっかけになっていると思う。中国の発展の裏にはこうした日本からの協力もあるのだということを、今の若い人たちにも知ってもらいたい」と述べた。
笹川氏は笹川日中友好基金を設立し、中国の人材養成に尽力してきた。笹川氏は、「私たちは、中国が最も困難に直面していた時代から30年間にわたり、中国人医師3000人に日本で学ぶ機会を与え、中国に貢献してきた。現在中国の医学会のトップにいる人々のほとんどが笹川奨学生であるといっても過言ではない。また、北京大学、南京大学、復旦大学、中山大学、吉林大学、内蒙古大学、新疆大学などの中国の大学10校に修士・博士課程の奨学金を設けており、この卒業生だけでもすでに9000人に達している。さらには、日本語の図書だけで400万冊を中国の各大学に寄贈している。また、これらの大学の日本語教材の開発を支援してきた」とこれまで行ってきた人材養成における活動について語り、両国の国づくりには人づくりが重要であると述べた。
また、笹川氏は、これからの中国にとっては国営企業の民営化が重要ではないかと考え、90年代初頭に上海市及び深セン市で国営企業の「民営化」の道筋をつけるためのシンポジウムを開催している。このほかにも約9000人におよぶ中国各地域の専門家や各分野の女性のリーダーなど中国の様々な分野の人たちを日本に招く交流事業を続けており、日本と中国の交流を深め、両国のさらなる発展への寄与を目指す活動を行っている。(文・木村雄太)
「人民網日本語版」2019年1月9日
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