習近平国家主席は30日夜、メルケル独首相、マクロン仏大統領、ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)、フォンデアライエン欧州委員長とオンラインで会談した。中国とEUの首脳は中国EU投資協定交渉の期日通りの妥結を共同発表した。新華社が伝えた。
習主席は、「2020年は世界と中国・EUの双方にとって非常に特殊な1年だった。新型コロナウイルス感染症と過去百年間なかった国際情勢の大変動が起こり、不安定化要因と不確定要素が増えていった。こうした中、中国とEUは困難を迎え撃ち、手を携えて努力し、双方関係が実り豊かな成果を上げる後押しをした。双方は中国EU投資協定交渉の年内妥結という目標を予定通り達成し、バランスの取れた、高水準で互恵・ウィンウィンの投資協定をまとめ、高水準の対外開放の推進という中国側の決意と自信を示した。これは中国とEUの相互投資のためにより広い市場参入の余地、より高水準のビジネス環境、より力強い制度的保障、より明るい協力の展望を提供し、ポストコロナ時代の世界経済の回復も力強く牽引し、経済のグローバル化と自由貿易への国際社会の自信を強め、開放型世界経済の構築に中国・EU二大市場として重要な貢献を果たすものとなる」と指摘。
また習主席は、「中国は新発展構造の構築に尽力しており、欧州と世界のためにさらに多くの市場機会を提供し、さらに大きな協力の余地を創出する。EU側が自由貿易と多国間主義を堅持し、中国の投資者にオープンで公平かつ差別のないビジネス環境を提供することを希望する」と強調した。
さらに習主席は、「間もなく2021年を迎える。中国とEUは世界の二大パワー、二大市場、二大文明として、責任感を示し、積極的に行動し、世界の平和と進歩に向けて協力する建設者となるべきだ。双方は対話を強化し、相互信頼を増進し、協力を深め、溝に適切に対処し、手を携えて新たな機会を育み、新たな局面を切り開くべきだ」と指摘し、以下の必要性を挙げた。
(1)新型コロナ対策で足並みをそろえる。ワクチンの世界の公共財としての公平な分配、特に発展途上国の利益を確保する。
(2)経済回復の共同促進。政策の意思疎通と調整を強化し、開放型世界経済の建設を堅持し、世界の産業チェーンとサプライチェーンの早期正常化を先導する。
(3)発展戦略の連携。政策的協調を強化し、「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設イニシアティブとEUのユーラシア・コネクティビティ戦略との連携を強化し、デジタル分野の協力を検討する。
(4)グリーン開発の加速。中国とEUの環境・気候ハイレベル対話メカニズムを活用し、双方による生物多様性、気候変動、自然保護関連国際会議の開催を支持し合う。
(5)多国間協力の推進。国連、G20、世界貿易機関(WTO)、世界保健機関(WHO)などの枠組みで調整と協力を強化し、世界や地域の紛争問題の政治的解決を後押しし、G20債務救済イニシアティブを積極的に実行に移し、アフリカの感染症対策と発展を支持し、世界の発展と繁栄を共同で促進する。
中国とEUの首脳は互いに新年の挨拶を交わすとともに、2021年において緊密な意思疎通を継続し、双方間の重要な交流を共に推進し、包括的な戦略的パートナーシップのたゆまぬ前向きな発展を後押しすることを表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年12月31日