「文化財指紋」の採取技術で、国宝を正確に追跡・識別
デジタル化技術により、各文化財の唯一無二の細かな痕跡と特徴を見つけ、国宝を正確に追跡・識別する……。浙江省杭州市臨平博物館(中国江南水郷文化博物館)が研究開発中のアプリ「文化財指紋」は、文化財貸出・交流における懸念を効果的に解決した。光明日報が伝えた。
文化財の収蔵品の増加や流通・貸出の需要の増加に伴い、文化財の情報管理、出入庫、貸出、在庫点検などの管理フローにおける管理リスクが発生しやすくなった上、リスクの発見が困難で、遡ることが難しく、紛失対象の調査が困難だ。さらに現在は偽造品の製造水準も上がっており、倉庫管理者の経験に基づく検査・識別だけでは本物が偽物にすり替えられるリスクを解消できない。
臨平博物館が研究開発した「文化財指紋」は画像指紋採取技術、指紋類似度計算方法、ビッグデータ技術、暗号学、ポイント・ツー・ポイントネットワークなどの技術を用い、サービス側とガバナンス側を含む統一プラットフォームを構築した。文化財指紋システム、収蔵品基礎データ管理システム、文化財流通トレーサビリティシステム、文化財ブレーン、画像サービスプラットフォーム、ブロックチェーン基礎サービスプラットフォームを含む、文化財の細かな痕跡を照合する博物館収蔵品管理アプリを開発した。
文化財の「指紋」はどのようにして得られるのだろうか。
臨平博物館には顕微鏡に似た装置がある。これは文化財の表面を数百倍に拡大するとともに、自動的にピントを変更し撮影する。文化財に接触せずにその細部の特徴を集めることができる。
「通常は文化財の2、3ヶ所の細部を採取する。各箇所の倍率の異なる10数枚の写真を撮影した上、システムにより各写真の特徴点を捕捉し、指紋モデルを生成する」。臨平博物館の于秋娜副館長は取材に、「照合する際に文化財の同じ位置を装置に向けるだけで、システムが自動的に照合を行う。結果が先に採取した指紋モデルの特徴点と一致すれば、それが同一の文化財であると判断できる。このほか、ブロックチェーン技術を利用しているため、採取した特徴点とモデルが改ざんされることはなく、文化財の安全性をより良く保証できる」と述べた。
臨平博物館は2022年11月から現在まで1193点(セット)の文化財の「指紋」採取を行っており、合計で4044ヶ所の採取点の1万8213の「指紋」を採取した。文化財の種類は書画や玉器が中心で、石器、陶磁器、金銀器、銅器など複数の種類が網羅されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年9月14日
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