中国「ダブル11」 男性の消費力が高まり「ドーパミン経済」が活発に

 2023年11月14日09:55

「彼らは高級酒の茅台(マオタイ)酒や五糧液をケース買いしている」「複数の国産品がランキングを占めている」……。今年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)はまさにこんな状況だった。

複数のECプラットフォームのデータから、今年は男性の消費力が拡大した年であり、国産品が非常によく売れた年でもあったことがわかる。

商品の競争が細分化 「ドーパミン経済」が活発に

ECプラットフォームが11日に明らかにしたところによると、今年のダブル11の主な消費傾向は、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)やサイクリング、スキー、トレンド玩具など、娯楽や自分の楽しみを目的とした商品を購入する消費「ドーパミン経済」が活発になったことから、今後より多くの新ブランドが続々登場することが予想される。「過去3年間に6000社のブランド立ち上げを成功させた」とのデータを発表したプラットフォームもある。

商務部(省)国際貿易経済協力研究院EC研究所の洪勇副研究員は、「目下の消費市場は細分化、個性化といった特徴を示し、国も中小・零細企業への支援を拡大している。ECプラットフォームが起業に有利な条件を提供し、多様で旺盛な起業環境を作ることが、新たな中小・零細企業のイノベーション・起業ブームを後押しするうえでプラスとなるだろう」との見方を示した。

男性の消費が拡大し、ペット消費を抜いた

商品の種類がますます細分化する中で、今年のダブル11は例年と比較して男性消費が拡大した。最近は「男性の消費が初めてペット消費を抜いた」ことが話題を集め、天猫(Tmall)や京東などの大手ECプラットフォームでもこうした傾向が明らかになった。

淘天集団スーパーマーケット業務発展センターの一漫総裁は、「多くの人がマオタイや五糧液をケース買いしている。元々男性はダブル11でよくマオタイを買っていたが、今年はマオタイも各種のアルコール類も、たとえば五糧液などもケース買いしている」と述べた。

同集団によると、11月10日に、ライブコマースの「阿卓酒館」は成約額が4億6000万元(1元は約20.8円)を超え、「酒仙亮哥」は4億8000万元を超えた。アルコール類のライブコマースの勢いは、プラットフォームでの男性ユーザーの活発度を大きく引き上げた。ダブル11期間中、アルコール類のライブコマースの男性ユーザーは最初の20%の割合から、一気に上昇して65%に達した。

デジタル商品の売り上げも男性ユーザーの間で安定的に増加した。京東のダブル11セールが始まってからの10分間で、アップル、小米(シャオミ)、華為(ファーウェイ)、OPPOなどの大手ブランドのスマートフォン成約額が前年同期比で100%増加し、購入者は男性のユーザーが多かった。

同集団ブランド業務発展センターの奥文総裁は、「eスポーツ関連の消費、サイクリング関連の消費、レゴが男性がダブル11にプラットフォームで購入する『新三種の神器』になった。トレンド玩具やフィギュアなどの売り上げは持続的に成長しており、男性用スキンケア用品の成長も目立つ。自分もデータを見てびっくりした。男性用香水は今、非常に人気の高い品目になりつつある」と述べた。

国産品が大化け ダブル11で完全に台頭

今年のダブル11は国産品の魅力を徹底的に検証するテストでもあった。複数のECプラットフォームのデータから、一部の国産品ブランドが一部の国際的大手ブランドと競り合うようになり、細分化された商品の品目では売り上げで勝るケースもあったことがわかる。

京東のデータでは、大量の良質な国産品の売り上げが大幅に増加し、中でも90後(1990年代生まれ)と00後(2000年代生まれ)が国産品消費額のうち62%の割合を占めて、国産品消費の絶対的な中心になったことがわかる。今年のダブル11には、全国から2000種類を超える農業の特産地と産業ベルトの優れた特産品、たとえば江蘇省宿遷市の覇王ガニ、新疆維吾爾(ウイグル)自治区阿克蘇(アクス)地区の100%蜜入りリンゴ、内蒙古(内モンゴル)自治区錫林郭勒(シリンゴル)盟の羊肉などが、一般家庭に届けられるようになった。長白山のニンジン、安徽省亳州市の中医薬材、青海省のクコといった特徴的な特産品も好調な売れ行きが続いた。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年11月14日

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