中国の科学研究者、オープンデータへの許容度が高い
オープンデータはオープンサイエンスの基本要素であり、研究の再現性を確保する鍵でもある。シュプリンガー・ネイチャーは中国科学院コンピューターネットワーク情報センターと共同で11月30日、「中国オープンデータ白書2023」を初発表した。同白書によると、中国の科学研究者のオープンデータに対する許容度と支持率が高く、回答者の78%が研究データの公開を慣例化することに賛成するとしている。光明日報が伝えた。
中国科学院コンピューターネットワーク情報センターは中国の研究者からの642件の有効アンケートを分析し、同白書を作成した。白書は中国の科学研究者のオープンデータにおける動機付け、存在する課題、見方、実践行為などに関する最新状況を明らかにした。
その結果によると、データ共有には引き続き多くの阻害要因が存在する。中国の回答者が懸念している問題のうち、「データに敏感な情報が含まれる場合、またはデータ共有前には研究参加者の許可を得るべき」は57%。その他の問題としては、「データ乱用」(39%)、「その他の実験室に先立って研究成果を発表される」(36%)、「データの著作権とデータの許可が不確実」(36%)が挙がっている。「データ共有に懸念はない」とする回答者は約10%。
同調査はさらに、人工知能(AI)によるデータ収集及び共有の経験に関する質問を初めて設けた。中国科学院院士で、中国科学院生物物理研究所研究員の陳潤生氏は、「科学データの開放、共有、応用は科学界に新たな知識の産出を促進する。一方で、ビッグデータ、AI、基盤モデルの融合発展も科学研究のイノベーション力と生命力を活性化し、より多くの科学的問題を解決することになる」と述べた。
今回の調査を受けた中国の回答者の60%が大学に所属している。その他の回答者は主に、病院・医療組織(16%)、研究機関(14%)に所属している。キャリアステージの区分を見ると、約47%がキャリアの早期(ここ5年近くに初の論文を発表)だった。そのため今回の調査は業界の専門家から、中国の若手研究者のオープンデータへの認識をある程度反映している可能性があるとされている。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年12月1日
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