未来への願いを舞台に込めて 北京第二外国語学院日本語学院第41回演劇大会
北京市内の北京第二外国語学院明徳庁で21日午後、同学院の日本語学院で学ぶ学生たちによる日本語の演劇大会が行われた。人民網が伝えた。
同大会は1979年から行われており、今回で41回目の開催となる。今回の大会のテーマは、「願い」。北京第二外国語学院の創立60周年を記念し、未来への願いを込める大会となった。
今回の演劇大会には、同学院日本語学院の8クラスが参加。「千と千尋の神隠し」(本科生二年一組)、「夢十夜特別編」(大学院翻訳コース一年生)、「ビリギャル」(本科生二年三組)、「リメンバー・ミー」(本科生二年二組)、「ドラゴン桜~東大を目指そう特訓クラス」(大学院学術コース二年生)、「こんにちは、アイシー」(大学院学術コース一年生)、「指環」(大学院通訳コース一年生)、「Re:Life」(本科生三年生)の8作品を上演し、日ごろの日本語学習の成果と熱のこもった演技を披露した。
また、北京理工大学附属高等学校(通州キャンパス)の生徒らをゲストに迎え、二年生による「宮廷の諍い女(運命の後宮裁判)」の吹き替えパフォーマンスと、一年生による合唱「世界に一つだけの花」も披露された。
厳正な審査の結果、最優秀作品賞は大学院学術コース一年生の「こんにちは、アイシー」、最優秀脚本賞は本科生三年生の「Re:Life」、最優秀主演男優賞は大学院学術コース二年生の作品「ドラゴン桜~東大を目指そう特訓クラス」の張宏瑞さん、最優秀主演女優賞は本科生三年生の作品「Re:Life」の陳氷清さん、最優秀助演賞は大学院翻訳コース一年生の作品「夢十夜特別編」の万里鵬さん、大会に協賛しているイオンから贈られるイオン特別賞は大学院通訳コース一年生の作品「指環」の崔雨萱さんがそれぞれ受賞した。
今回の大会では、現代の作品が大多数を占めたことが強く印象に残った。「今の日本」を反映した映画やドラマを題材にすることは、現在の日本の状況や日本人の習慣、考え方などを理解するうえで大きな助けになる。特に、演劇を経験する中で、セリフを覚えたうえで、自分が演じる人物が台本の中でなぜそういうセリフを発するのか、なぜそう行動するのかを役の立場になって考えることは、演劇を通した没入型の日本理解体験として、将来も大きな力になるだろう。
学生たちの日本語は、一部に読み方の間違いや、「ずっと」を「ずっとに」と言ってしまうなど普段の癖が出てしまうような場面はあったものの、総じてレベルが高かった。日本語学習の発表の場という位置づけを超えて、演技や作品の内容にグッと引き込まれる作品もあり、この大会に向けて、学生たちが専門である日本語以外にも演技や演出面で払ってきた努力を感じさせた。また、司会者として見事に大会の進行役を務めた学生たちの日本語レベルが非常に高いものだったことも書き添えておきたい。
この大会に向けて努力した時間や、当日の成功体験、さらには失敗体験も含めて、今回の経験は将来のための糧となることだろう。若々しくひたむきな学生たちの姿を見ながら、彼らの未来が輝かしいものであるようにと願わずにはいられなかった。(文・勝又あや子)
「人民網日本語版」2024年5月23日
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