毎年37億kWhのグリーン電力を発電 江蘇省射陽県の「炭素産業パーク」を訪ねて

人民網日本語版 2024年06月19日14:09

「質の高い発展の調査研究」テーマ取材イベントで、江蘇省塩城市射陽低(ゼロ)炭素産業パークを訪ねた。そこで新たな質の生産力の勢いの高まりを深く感じた。新華網が伝えた。

6日に撮影された射陽港低(ゼロ)炭素産業パーク(ドローンで撮影)。撮影・楊磊

射陽港低(ゼロ)炭素産業パーク(ドローンで撮影)。撮影・楊磊

射陽県の干潟の面積は約7.3万ヘクタールで、沿岸の高度100mの年平均風速は7.6m/sを超えており、豊富な風力・太陽光資源を秘めている。県全体の太陽光・風力などの新エネルギーの年間発電量は37億kWhにも達する。これらの電力の生産過程における二酸化炭素(CO2)排出量はゼロ、もしくはゼロに近く、環境により友好的で、グリーン電力とも呼ばれる。

塩城射陽低(ゼロ)炭素産業パークの中車風力発電ブレード工程有限公司の150m級洋上風力発電ブレードスマート製造作業場に入ると、赤と白の風力発電ブレードが羽扇のように並び、素晴らしい眺めになっていた。ここではスマート化されたネットワーク体制がリアルタイムでエネルギー消費量を監視している。周辺の街灯も太陽光と風力発電により、外部電力の使用を減らしている。同社の郝肖軍副社長は、「当社の1・2期工場の屋根の太陽光発電量は年間1400万kWhで、これだけで工場の毎年の炭素排出量を約3000トン減らせる」と述べた。

射陽港低(ゼロ)炭素産業パーク内の中車風力発電ブレード工程有限公司(ドローンで撮影)。撮影・楊磊

射陽港低(ゼロ)炭素産業パーク内の中車風力発電ブレード工程有限公司(ドローンで撮影)。撮影・楊磊

「包括的な製品の炭素認証と炭素データ管理に対する輸出貿易の新たな要求により、企業はカーボンフットプリント追跡能力を持つパークからのサポートが急務になった」。射陽港ゼロ炭素産業研究院モノの人工知能デジタル管理センターの大画面ディスプレイの前に立つと、復数の企業の異なる機能エリアの炭素排出状況がはっきりと確認できる。遠景スマートゼロ炭素製品首席科学者の邱林氏は、「ゼロ炭素産業パークのブレーンと中枢としての研究院は権威ある認証機関に率いられ、シンクタンク及びパークのリーディングカンパニーと連携し、国際ルールに適応するカーボンフットプリント認証・ゼロ炭素パーク建設基準体制の制定を模索し、企業のために炭素排出カーボンフットプリントワンストップサービスとグリーン電力・グリーン証書取引を実施する」と述べた。

射陽港低(ゼロ)炭素産業研究院の屋根で使用されている太陽光発電システム(ドローンで撮影)。撮影・楊磊

射陽港低(ゼロ)炭素産業研究院の屋根で使用されている太陽光発電システム(ドローンで撮影)。撮影・楊磊

産業パークは今年5月、グリーン電力・グリーン証書サービスコンソーシアムを結成し、パークのグリーン電力市場ユーザーにワンストップサービスを提供し、より多くの入居企業によるグリーン電力取引への参加を推進する。射陽港経済開発区党工委書記の陳双喜氏は、「年間500万kWhのグリーン電力取引、1000枚以上のグリーン証書取引を目指し、グリーン・低炭素の循環型経済体制の構築を後押しする」と述べた。

射陽ではサービス業が発展している以外にも、より多くの低炭素応用シーンが生活に入り込んでいる。ビル外壁にはソーラーパネルが設置され、ビルの下には太陽光発電・エネルギー貯蔵・充電一体化車庫があり、路傍には風力発電・太陽光発電・エネルギー貯蔵一体化街灯がある……。射陽港低(ゼロ)炭素産業パークでは、新しいライフスタイルも体験できる。この「ゼロ炭素コミュニティ」と名付けられた従業員生活サービスエリア内では、ほぼすべての生活シーンでグリーン電力の直接供給が実現している。

陳氏は歩きながら取材に対し、「太陽光発電プロジェクトの建設を通じ、ゼロ炭素コミュニティは毎年250万kWhのグリーン電力を発電する。住民の需要を完全に満たすと同時に余剰電力の送電もできている。ゼロ炭素コミュニティはモノの人工知能総合管理プラットフォームの構築により、生活分野の各部分の分析、早期警報、管理・評価を行い、グリーンで低炭素な生活習慣を形成するよう住民を誘導する」と説明した。

射陽港低(ゼロ)炭素産業研究院前の「ゼロ炭素バス」。撮影・李然

射陽港低(ゼロ)炭素産業研究院前の「ゼロ炭素バス」。撮影・李然

コミュニティ住民の通勤の需要を満たすため、産業パークにはテクノロジー感たっぷりの「ゼロ炭素バス」が1台配備されており、長さは30m。特別なのは屋根の太陽光発電、グリーン電力充電、バッテリーエネルギー貯蔵などの手段により運行を保証できることだ。車載センサーにより事前に設定された「バーチャルルート」上を正確に走行でき、スマートな運行を実現し、より便利で環境にやさしい。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年6月19日

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