「グリーン計算力拠点」を構築する青海省 みなぎる自信はどこから?
中国人の生活と密接な関連がある政策情報や金融サービスなどの裏には、「頭脳」を搭載したサーバーがあり、青海省のいくつかのデータセンター内に置かれている。今年に入ってから、青海は重要な会議や重要な場で自省のグリーン計算力産業をたびたびアピールしてきた。その優位性はどこにあるのだろうか。
計算力とは、わかりやすく言えば、データや情報の処理能力のことだ。計算力は目に見えない抽象的なものだが、それを実行する主体は実際に見ることができる。その主体とはデータセンターやスマート計算センターをはじめとする計算力インフラだ。
データセンターである以上、エネルギー使用の問題が確実に存在する。データセンターのエネルギー使用量をおしはかる重要な指標はPUE(計算力のために使用される電力が全体の消費電力に対してどれくらいの割合であるかを示すもので、数値が低いほど電力使用効率がよいとされる)であり、青海省西寧市にある三江源国家レベルビッグデータ拠点を例にすると、年平均PUE値は1.17で、中国でトップレベルとなっている。
青海は乾燥して冷涼な気候で、空気が澄み、通年の乾燥度は2.38、年平均気温は3.4℃だ。同拠点の冉永明シニア業務ディレクターは、「青海の天然の気候条件の優位性に基づいて、一年の大半の期間のサーバールームは人による冷却作業が不要で、エネルギー使用量の大幅な引き下げが可能だ。同じタイプの東部地域にあるサーバールームなら30日かかる計算を、当拠点は20日あまりしかかからず、期間が短く、エネルギー使用量も少なくて済む」と説明した。
青海のデータセンターは通年で314日間は自然冷却が可能で、冷却のための電力使用量が全国平均より約40%少ない。エネルギー使用量が少ないことはコストの低さを意味し、国内の他の地区と比べ、青海の投資コストが20%低く、運営コストが30%低く、投資回収期間は2年短い。
同時に、強力な計算力にはやはり切れ目のない電力の供給が欠かせず、計算力はつまるところ電力だと言える。それではデータセンターの電力はどこから供給されるのか。この重要な問題に対し、青海は最も適切な回答を探り当てた。
青海は水エネルギー資源の可採埋蔵量は全国5位、通年の日照時間は2500時間から3650時間、太陽光エネルギー資源の可採埋蔵量は35億キロワット、技術の開発可能規模は全国2位、風力エネルギー技術の開発可能規模は7555万キロワットで国内4位、新エネルギー開発に使用できる砂漠化した土地は10万平方キロメートル以上ある。青海の最大の優位性はこうした豊富なクリーンエネルギー資源にほかならない。
2023年に青海の新エネルギー発電量が初めて水力発電量を超えて省内トップの電源になり、青海は全国に先駆けて新エネルギーの発電設備容量と発電量の「ダブル主体」を実現した。
計算力産業には大量の電力が必要だが、青海にはこれほど豊富なグリーン電力があり、省内のデータセンターの1つ1つを通じて、グリーン電力をグリーン計算力に変えることが可能だ。
これほどの優位性が整った青海が、自信を持って計算力をアピールするのはごく自然なことだ。
2024年、青海はグリーン計算力産業のプロジェクト投資額を30億-50億元(1元は約21.4円)にする計画だ。全省のデータセンターの設備規模は6万ラック(19インチ標準ラック)を超え、30%以上の成長率を維持する。計算力の全体的規模は1.24EFLOPS(エクサフロップス。チャットGPT4.0をトレーニングするのに必要な計算力の半分に相当)を超え、そのうちスマート計算力が20%以上を占める。ストレージの総量は3EB(1TBは1024GBに相当、1PBは1024TBに相当、1EBは1024PBに相当)を超え、先進ストレージの設備容量が20%以上を占め、データセンターのコアデータの災害対策用ストレージが100%に達する。省間の出力帯域幅は13TBps以上、省内のデータセンター間のネットワークの通信遅延時間は2ミリ秒を下回り、国家計算力ハブノードへの通信の遅延時間は20ミリ秒以下だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年7月24日
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