中国初の「ゼロカーボン港」が出航
電力が海上風力発電または太陽光発電のいずれかで賄われており、港全体の運営がスマート化しており、超遠隔制御を実現……。これは記者が4日、山東港口渤海湾港の取材で目にした光景だ。科技日報が伝えた。
上述したシーンを解説すれば、「ゼロカーボン」というキーワードから始めることができる。山東港口渤海湾港生産業務部の張振琨部長は取材に、「山東港口濰坊港はこのほど、全国初となるゼロカーボン港の建設案を発表した。これは山東港口ゼロカーボン港の建設に段階的な成果があったことを示している」と述べた。
濰坊、東営、浜州の3港が2018年、渤海湾港に統合された。その翌年に山東省港口集団が設立されると、渤海湾港は同集団の傘下に入った。
濰坊港区が中国全土初の「ゼロカーボン港」を建設できるのはなぜか。張氏は、「濰坊港を出入りする貨物そのものがゼロカーボン港を建設する条件を備えており、自然条件と自然属性が優れている。濰坊港付近は風が強く、風力発電機を設置する土地資源が豊富だ」と述べた。
濰坊港区の4基の風力発電機による年間発電量は約7000万KWh。濰坊港区全体の現在の電力消費量は3500万kWh。張氏は、「水素普及などのプロジェクトもあり、濰坊港区全体の炭素排出量はほぼゼロとなっている。生産された電力はさらに送電網に接続し、企業の電力コストを削減することができる」と述べた。
山東省港口集団濰坊港有限公司党支部書記を務める孫超社長は、「ゼロカーボン港の濰坊モデルを構築するため、マルチエネルギー相互補完のエネルギー供給体制を構築するとともに、エネルギー消費構造を最適化した」と述べた。グリーン・低炭素トランスフォーメーションの発展を加速させるため、濰坊港は港のクリーンエネルギー利用を推進し、太陽光発電、風力発電、水素エネルギーの代替利用を実施した。濰坊港は2023年、3.3MWの太陽光発電を完成させた。年間平均発電量は360万kWhで、毎年80万元(1元は約20.3円)以上の電気代を節約できる。
風力発電プロジェクトの効果を十分に発揮するため、濰坊港はグリーン電力による水素製造と海水淡水化などのプロジェクトを模索し、電力の代替利用を全面的に進めている。孫氏は、「25年末までに港内の全産業の電動化を実現する。今年下半期にはさらに4000馬力の完全電動タグボートを建造する。運用開始後は毎年60万kWhのグリーン電力を消費できる」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年8月6日
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