中国初の小型衛星スマート生産ラインで衛星を製造
加熱シートの粘着の品質を確認する航天科工二院宇宙事業総体部の技術者(2023年12月撮影)。 撮影・馬赫
自動でつかみ取り、視覚測位と力学感知を行い、わずか数秒で部品が指定の位置に置かれ、出庫、組み立て、製品の完成、テスト……1万個にのぼる衛星部品が指示に基づき自動で入庫し、配送され、生産フローのすべてがスマート化された。武漢国家航空産業拠点の衛星産業パークに足を踏み入れると、航天科工二院宇宙事業総体部が建設・運営する中国初の小型衛星スマート生産ラインの現場は、大きな賑わいを見せていた。新華社が伝えた。
そこではパソコンまたはコントロールパネルの前にいた数人のエンジニアが生産の指示を出した後、部品倉庫は自動的に部品を出庫し、無人搬送車により対応するスマート生産エリアに運ばれ、組み立てなど衛星が完成するまでの作業、そして総合テストやペイロードテストなどの一連のテスト・試験が順次行われる。製品の生産が合格した後にラインを下り入庫し、その後の任務を待つ。
中国の通信・リモートセンシングなどの衛星コンステレーションが急速に発展し、低軌道衛星コンステレーションの構築などの生産能力の需要が大幅に増えており、従来的な製造モデルでは需要を満たせなくなっている。世界の宇宙分野の競争の激化を背景に、高速に量産する能力を高め、スマート衛星生産チェーンを構築することが極めて重要だ。
人と機械の協働スマート生産ラインの構築は従来的な衛星製造における、組み立ての重量が大きく、難易度が高く、品質が安定しないといった問題をさらに解決することになる。航天科工二院宇宙事業総体部スマート製造事業部調整員の易明氏は、「ロボットアームは精密工程パラメータが設定した標準化作業フローに基づき作業することにより、人の手による誤差の可能性をある程度排除した」と述べた。
製造の質を高めると同時に、人と機械の協働製造は衛星の製造効率を大幅に高めている。この小型衛星スマート生産ラインは複数回の更新と最適化を経て、すでに異なる型式の衛星を同じラインで柔軟に生産できるようになった。易氏は、「スマート生産ラインは衛星の量産化にスピーディに対応できる。その自動化率は50%以上に達し、生産性が40%余り向上し、1基当たりの時間が80%以上短縮され、製造のスマート製造への生まれ変わりが実現した」と述べた。
このスマート生産ラインは2018年に始まり、21年5月に1基目のラインオフを達成し、中国で完成し稼働開始された1本目の衛星スマート生産ラインになった。23年には衛星の量産任務を順調に完了するとともに、スマート製造能力を輸出した。1000kg以下の各種衛星の生産を兼ね備える「衛星製造工場」は現在、年間200基余りの小型衛星を量産する能力を持っている。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年10月18日
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