中国の商用航空機エンジン、今後20年の市場シェアは世界の20%超に

人民網日本語版 2024年11月15日09:51

中国航空エンジン集団(中国航空エンジン)が発表した最新の市場予測報告書によると、今後20年の中国商用航空機エンジン市場が巨大で、1万9000基が引き渡される見込みだ。市場価値は3000億ドルを超え、市場シェアは世界の5分の1以上を占めるという。中国新聞網が伝えた。

第15回中国国際航空宇宙博覧会(中国航空ショー)は13日に2日目を迎えた。中国航空エンジンが航空ショーで発表した「2024−43民間用航空機エンジン市場予測報告書」は、2023年の世界の商用航空機エンジン及び汎用航空機エンジンの市場環境及び市場の現状を詳細に分析するとともに、今後20年の市場状況を予測した。

中国航空エンジンが今回の航空ショーで展示した航空機エンジン高高度シミュレーター。撮影・孫自法

中国航空エンジンが今回の航空ショーで展示した航空機エンジン高高度シミュレーター。撮影・孫自法

同報告書によると、世界の23年末現在の就役中の商用ターボファンエンジンは5万6000基以上。うちナローボディ機は3万5000基で、60%以上の市場シェアを占めている。ワイドボディ機エンジンは1万4000基、商用ターボプロップ機エンジンは4000基。中国国内で現役の商用航空機エンジンは9000基以上。

同報告書によると、世界経済及び観光業の持続的な回復や、中国の経済発展及び観光業の繁栄などが、航空輸送市場の需要増に持久的な推進力を提供している。これは次世代の航空機及びエンジンの発展を促進するものとなる。

中国航空エンジンが今回の航空ショーで展示した「CJ2000」「CJ1000A」航空機エンジン。撮影・孫自法

中国航空エンジンが今回の航空ショーで展示した「CJ2000」「CJ1000A」航空機エンジン。撮影・孫自法

同報告書によると、今後20年の世界の商用ターボファンエンジンの引き渡し量は8万7000基以上に、引き渡し額は約1兆5000億ドル(1ドルは約155.7円)。43年には中国の商用ターボファンエンジンの規模が2万1000基以上に増加する。うちナローボディ機は約1万6000基で、ワイドボディ機は4000基以上。

中国汎用航空市場が近年、急速に発展している。同報告書によると、23年末現在の中国の汎用航空飛行時間は137万1000時間で、前年比12%増。世界の汎用航空機エンジン数は計50万基以上で、中国市場の汎用航空機エンジンは3758基。

中国航空エンジンが今回の航空ショーで展示した「太行」エンジン。撮影・孫自法

中国航空エンジンが今回の航空ショーで展示した「太行」エンジン。撮影・孫自法

有利な政策を受け、同報告書は汎用航空動力市場の見通しが明るいと判断した。今後20年の中国の各種類のピストン、ターボジェット、ターボシャフト、ターボプロップ、ターボファンなどの従来的な汎用航空機エンジンの需要は1万5000基を超え、市場価値は180億ドル以上。世界の需要は23万5000台を超え、市場価値は1500億ドル以上。

「ダブル炭素」(CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)という目標に牽引され、完全電動やハイブリッドなどの新型汎用航空動力が急速に台頭している。同報告書によると、今後20年はハイブリッド、完全電動、従来タイプのエンジンが長期的に共存する見込みだ。中国の電気推進システムの需要は3万1000台・セットで、うち完全電動は1万8600台・セット、ハイブリッドは1万2400台・セットで、市場総価値は300億ドル近く。世界の電気推進動力の需要は15万台・セット以上で、市場総価値は従来タイプの合計を上回ることになる。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年11月15日

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