まるでオフィスにいるみたい?「京滬高速鉄道」の車内に漂う「仕事モード」

人民網日本語版 2024年11月20日13:27

資料写真

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多くの人が「仕事モード」の漂う場所と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、ワーカーにとっての「第二の家」とも言えるオフィスだろう。しかし、中国のネットユーザーの間では最近、北京と上海を結ぶ「京滬高速鉄道」の車内が、中国で「仕事モードのレベルがオフィス以上」と話題になっている。

ある月曜日の朝9時に、上海の虹橋駅から、北京南駅に向かう高速列車・G8号に乗って、「仕事モード」漂う車内を体験してみた。

上海から北京までの距離は1300キロ以上で、所要時間は4時間半。時速350キロで移動するその車内で、多くの乗客がノートパソコンを開いて仕事をしていた。そのため、京滬高速鉄道は、「仕事モードのレベルが最も高い高速列車」や「ワーカー専用列車」などと呼ばれ、話題となっている。

では、乗客たちは何をそんなに忙しく働いているのだろうか?寧さんと鹿さんという女性の2人連れに声をかけてみると、鹿さんは、「今日は出勤日なので、土日に溜まっていた仕事を片付けていた」と話してくれた。

エレクトロニクス業界で働く2人は、出張が多く、1ヶ月に少なくとも2回は北京と上海間を往復しているのだという。

この列車には、2人のように、仕事をしている乗客がたくさんおり、展示会関係の仕事をしている人や、IT関係者、医療関係者など、その業界もさまざまだった。そしてその仕事の多くが出張だった。ある乗客は、「1ヶ月の大体3分の1から半分は出張している」と話していた。

平日も週末も、高速列車はほぼ満席となっている。乗務員の戴心妍さんによると、「ノートパソコンを開いて、キーボードを操作したり、電話をかけたりしている乗客がとても多い」という。

乗車チケットが手に入りにくい京滬高速鉄道の魅力は?

ある乗客は、「北京と上海は中国の主要な大都市。ビジネスでの往来が多い。所要時間もそれほど長くないこともあるが、なによりパソコンを使えるというのが利用する主な理由。飛行機だと使えないから」と話していた。

全長1318キロの京滬高速鉄道は、北京市・天津市・河北省と、長江デルタを結び、沿線の人口は中国の総人口の4分の1以上を占めている。

今回取材で乗車したG8号は、同鉄道の基準となっている列車で、北京と上海を4時間27分で結んでいる。猛スピードで走る列車の車内で、乗客もまた1分1秒も無駄にすることなく、仕事に勤しんでいる。そんな「仕事モード」漂う車内には、夢や楽しみを原動力にして頑張っている人もいる。ある乗客は「勤務時間の8時間をフル活用し、残業はできるだけしないようにしている。8時間を最大限活用できれば、週末を存分に楽しめるから」と話していた。

夕方になり、午後5時に北京を出発する列車に乗ると、忙しい1日を過ごし、疲れた表情を浮かべる乗客も多かった。それでも、インタビューが始まると、話題はやはり「仕事」。「趣味が仕事になった」や「社員と会社は一緒に進歩していくもの」、「普段の取り組みや自分のアイデアを確実に実行することで、社会が変わるよう働きかけることができて、とても楽しい」と話していた。

静かな車内で多くの乗客が仕事をしているこの「中国で仕事モードのレベルが最も高い列車」は、勤勉に働く中国人と強靭性が高く発展し続ける中国経済の縮図でもあると言えるかもしれない。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年11月20日

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