中国、宇宙・地上一体化演算能力ネットワークを構築へ

人民網日本語版 2024年12月17日13:26

2024科学者イノベーション大会が14日、雄安新区で開かれた。複数の院士・専門家はリモートセンシング産業の将来的な発展について、演算能力の「宇宙進出」を推進することが産業の将来的な発展の主要な動向になるだろうとした。科技日報が伝えた。

中国科学院院士で中国工程院院士の李徳仁氏は大会の報告で、「近い将来、人々は携帯電話で衛星を利用し、衛星データで生活・生産のさまざまなニーズを満たすようになる見込みだ」と述べた。

李氏はチームを率いて、スマートリモートセンシング衛星コンステレーション「東方慧眼」の建設を推進中だ。同衛星コンステレーションは2030年までに252基の衛星を打ち上げ、複数の角度から地球のリモートセンシングを行うことで、「素早く見る、はっきり見る、正確に見る、全体を見る、見て理解する、正しい場所に伝送する」という目標をより良く実現する。李氏は、「この目標を実現するためには、処理作業を宇宙で行い、人工知能(AI)技術で衛星リモートセンシングビッグデータを宇宙で小規模データに変え、ユーザーの携帯電話に直接伝送する必要がある」と説明した。

中国科学院院士の王建宇氏も、「衛星の地球観測の分解能がますます向上するにつれ、データ量も増加し続けている。データをすべて地上に伝送してから処理するとなると、伝送量が大きくなるだけでなく、データ応用の適時性も影響を受ける」と同様の見方を示した。そして「宇宙でAI技術でデータを処理してから地球に伝送すれば、産業の発展に大いに役立つだろう」と述べた。

中国が独自に研究開発した世界初の大規模AIモデル科学衛星が今年9月に打ち上げられ、軌道に投入された。研究開発チームは地上局のリモート指令の形式によりAIタスクを衛星に伝送した。衛星はその後、搭載されている高性能演算能力ペイロードにより大規模AIモデルを実行し運用試験の実施に成功した。今回の試験には、複数の温度条件の作業環境及び推理・質問応答など複数種類のタスクが含まれた。衛星が軌道上で大規模AIモデルを実行するのも初めてで、衛星演算能力プラットフォームの宇宙適応性・信頼性及び軌道上での効果的な演算能力についての検証に成功した。

研究開発チームはこれを踏まえた上で、11月に「星算計画」を発表した。同計画は2800基の演算能力衛星でコンステレーションを構築するとともに、地上の100ヶ所以上の演算能力センターと相互接続し、将来的に宇宙・地上一体化演算能力ネットワークを構築する。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年12月17日

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