100メートルを13秒97で走る「ストイックなおじいさん」
今年10月に開催された中国陸上マスターズ及び青島陸上オープンの100メートル走70歳の部門で、トップでゴールしたのは、「ストイックなおじいさん」と呼ばれている白髪の男性・金輝さん(71)で、タイムはなんと13秒97だった。これは中国の70歳以上の高齢者で、初めて14秒台を切るという快挙だった。
中国陸上マスターズには、35歳以上の引退したアスリートや優秀な陸上愛好者が出場できる。35歳から84歳までの、10部門が設置されており、現時点で、35歳以上のアスリートが出場する中国の陸上大会としては最高ランクの大会となっている。これまで、100メートル走の70歳の部門の中国記録は14秒01、中国陸上マスターズの大会記録は14秒15だった。金さんは今回、その2つの記録を更新したことになる。今回のマスターズにおいて、金さんは100メートル走のほか、200メートル走や走り幅跳び、4×100メートルリレー、4×400メートルリレーの合わせて5種目に出場した。
金さんは、「今回のマスターズで、出場した5種目すべてで金メダルを獲得した。新記録を打ち立てた時は、人生において一番幸せな瞬間で、それを楽しんでいる。自分の限界を超え、目標以上の記録を出せた時は爽快」と話す。
金さんは若い時、内蒙古(内モンゴル)自治区の鋼鉄工場でメンテナンスの仕事をしていた。特殊な職種であったため、2008年に定年退職したが、一時は人生の目標を失ってしまっていた時期もあったという。
その後、子供が暮らす山東省青島市に引っ越して生活するようになった金さんは、スポーツ好きが高じて、すぐに高齢者のサッカーチームに加入した。サッカーは他の人には及ばなかったが、負けず嫌いの金さんは身体能力訓練を続けた。「下手なので、他の人が5000メートル走るなら、僕は7000メートル走っていたので、身体能力が高くなった」と金さん。
昨年、サッカーチームの仲間に短距離走の試合に参加してみてはどうかと勧められた金さんは、初めて出場した試合で好成績を収めた。そして、2023年の全国マスターズの100メートル走では、15秒26というタイムで2位となった。
その大会で自分のストロングポイントを発見した金さんは、プロのコーチを見つけて、トレーニングや練習のプランを作ってもらったという。そして、今年、短距離走の各種試合に出場し、自己ベストを何度も更新するようになった。
そんな金さんの次の目標は、来年、世界大会に出場し、他の国の同年代の選手と競争し、中国の高齢者のエネルギッシュな姿を披露することだという。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年12月18日
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