100億元大産業の「鍵」を握る小さな町
世界中の人々が毎日使用している金属製ゲートロック、メカニカルロック、スマートロックの多くは、中国の広東省中山市の小欖鎮で生産されている。鍵の生産で発展してきた小欖鎮は「中国の施錠具輸出拠点」として知られる。
1970年代、小欖鎮では主力製品として鉄製錠を生産していた。「ダイヤモンド」ブランドの鉄製錠は当時の有名ブランドで、小欖鎮の施錠具産業の草創期を見つめてきた「証人」的存在でもある。
当時、小欖鎮は主に国内向けに金属製の南京錠を生産し、米国や東南アジアに金属製のドアロックやゲートロックを少量輸出していた。
■「コネクテッドロック」時代へ
カードをかざすと「ピッ」という音がしてドアが開き、電源スロットに挿入すると自動でカーテン、照明、音楽、テレビ、エアコンが全てオンになる。このような光景は、今やほとんどのホテルの部屋で標準装備となっている。しかし、このシンプルなカードをかざす動作が、小欖鎮の施錠具産業にスマート化のイノベーションを引き起こし、「コネクテッドロック」時代を切り開いた。
「最初は4人しかおらず、自前の工場もなくて外部に委託するしかなかった」。セキュリティ電子錠が海外から国内に導入されたばかりだった1990年代、鍵工場でこの技術に触れた周理新氏は、友人と共に楊格鎖業を設立した。
楊格鎖業にとって、「カードキー」をヒントにしたホテル用スマート「コネクテッドキー」は、今やブルーオーシャンとなっており、国内外の20万以上のホテルと提携している。また、同社の開発した「コネクテッドキー」用ドアロック管理ソフトウェアは、その応用シーンをマンション・アパート、民泊施設、学校の寮などへと大きく広げつつある。
金属製ゲートロックの輸出からスタートし、やがて50数ヶ国・地域にロックシリンダーを販売するようになり、さらにはスマート「コネクテッドキー」産業クラスター形成へ。今日の小欖鎮は、施錠具の生産額が100億元(1元は約21.1円)を超え、製造企業300社以上と関連企業5300社以上を擁し、施錠具の輸出量で全国の3割近くを占めるに至っている。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年12月18日
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