小さなブラシから生まれた百億元の大市場

人民網日本語版 2024年12月19日11:12

大別山脈に位置する安徽省潜山市源潭鎮という小さな町は、元々は家計の足しにするための小さな技能だったブラシによって、国際市場を席巻する大きなビジネスを生み出しただけでなく、中国の業界トップの規模を誇る「ブラシ産業の都」にも発展した。

源潭鎮産の清掃用ブラシは全国で9割以上のシェアを占め、工業用ブラシは7割以上、家庭用ブラシは2割近くを占めている。この3種類のブラシの付加価値総額は100億元(1元は約21.2円)を超え、世界の70数ヶ国・地域に輸出され、輸出入額は約7500万ドル(1ドルは約153.8円)に上る。

豚の毛を集めてブラシを作るのは、元々は同鎮の農家が生活費を稼ぐために手がけていた副業だった。1970年代には、一部の農家が集めてきた豚の毛で素朴なブラシを作り、背中に背負って四川省や広東省へ売りに行き、何とか糊口をしのぎ、家計をやりくりしていた。こうしたブラシを背負ってあちこち移動する人々が、百億元規模の大産業の原型を作り出すとは誰も予想していなかった。

越境ECの誕生・発展により、同鎮のブラシは海外進出の新たなルートを獲得した。2021年、同鎮はブラシ産業クラスターをよりどころに、ブラシ産業越境EC産業パークを建設し、小規模・規範化されていない・品質がバラバラだったEC企業が「大規模化・ブランド化・標準化」へ向かうよう支援した。

小さなブラシによって同鎮の人口の半分の雇用が生まれただけでなく、外部から3万人を超える人々がこの山間の小さな町に来て起業した。ブラシ産業の第2世代・第3世代に当たる高学歴の若者が続々と故郷に戻って事業を始め、ブラシによって生まれ、ブラシによって盛んになった小鎮の魅力は、日増しに高まりを見せている。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年12月19日

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