中国の産業用ロボット、有効特許は世界の3分の2を占める
ロボットは新興技術の重要な担い手であり、現代産業の重要な装備だ。国際ロボット連盟(IFR)が少し前に発表した報告書によると、ここ数年は中国の製造業分野でロボットの応用ペースがスピードアップし続けており、2023年の就業者1万人当たりのロボット密度は2019年の2倍以上の470台となり、世界3位に浮上した。
小規模から大規模化へ――今や中国は世界最大のロボット市場と生産国だ。関連の有効特許は19万件を超えて、世界の約3分の2を占める。産業用ロボット市場は11年連続で世界最大で、過去3年間近くにわたり新たに増加したロボット設置量は世界の半分以上を占める。
規模が拡大を続けると同時に、実力も安定的に上昇した。ベアリングは浙江省温州市で、サーボモーターは同省衢州市で、ハーモニックドライブは江蘇省蘇州市で製造されている。上流から下流に至る企業が手を携えて協業している。上海新時達ロボット有限公司のスーパー工場では「オール長江デルタ製造」のロボットがラインオフするのにわずか12分しかかからない。多様な情報のセンサフュージョン、マン・マシン・インタラクションといった先端技術の新たなブレークスルーの達成から、減速機、コントローラー、サーボシステムなどの重要部品の国産化による自給自足に至り、中国ロボット産業はますます強大化している。
ロボット密度の持続的な上昇は、ロボット産業の発展拡大と切り離せない上、中国製造業の巨大な規模にも支えられている。
河鋼集団石鋼公司新区にある棒材精整作業製造ラインでは、38台のロボットが協調作業を行い、梱包解除、研磨、梱包、ラベル貼り付け、入庫など、一連のプロセスを一気に終わらせる。
珠海高欄港にある珠海格力電器股份有限公司のエアコン製造作業場では、ロボットが忙しそうに働き、コンプレッサーとコンデンサーの取り付けから、ネジ止めや完成品の品質検査まで、製造から出庫に至る全てのプロセスが自動化されている。
東方汽輪機有限公司のファンの無人生産ラインでは、小型の自動輸送車が動き回り、ロボットが自動で材料をラインに乗せている。生産ラインの設備稼働率は90%に達し、24時間切れ目なく無人での加工作業が進められている。
中国の製造業は規模が大きく、業種がそろっており、14年連続で世界一の規模を誇り、先端化、スマート化、グリーン化の方向へ安定したトランスフォーメーションを進めており、ロボット製品の大規模応用に向けて豊富なシーンを提供し、巨大なニーズを生み出している。データによると、現時点で産業用ロボットの応用範囲は国民経済の60の工業大分類と168の工業中分類をカバーしている。
一連の関連政策・措置もまたロボット産業のより好調な発展を後押ししている。
供給側を見ると、関係当局は「第14次五カ年計画(2021-25年)におけるロボット産業発展計画」、「『ロボット+』応用行動実施プラン」、「産業用ロボット産業規範条件(2024年版)」などの政策措置を相次いで発表し、コア技術のブレークスルー、産業基盤の突き固め、有効な供給の強化、産業の発展環境の持続的な改善に注力している。
需要側を見ると、今年に入ってから設備更新行動が推進され、各産業のロボットニーズがさらに押し上げられた。1-8月には設備・工具購入への投資が前年同期比で16.8%増加し、成長率は投資全体の成長率を13.4ポイント上回った。埃斯頓(広東)ロボット有限公司などは市場の高まりを感じており、「今年の第3四半期(7-9月)に、当社のロボット受注は前年同期比でも前月比でも成長を達成し、通年の出荷台数は昨年の2万5000台から3万台に増える見込みだ」としている。
産業用ロボットとサービス用ロボットがそれぞれの強みを発揮し、農業、商業物流、医療ヘルスケアなどの産業で応用が加速している。製造業以外でも、ロボットは非常に多くの産業にエネルギーをエンパワーメントし、「ロボット+」の応用システムが絶えず整備されている。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年12月26日
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