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新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、産業用ロボット業界は応用シーンが広がり、人作業の置き換えが加速するなどの動きがみられる。このほど閉幕したばかりの第27回上海国際加工パッケージ展(ProPak China)では、中国製造業のモデル転換・高度化が加速し、パッケージ・物流などの業界における産業用ロボットのニーズが加速的に増大する様子が見られた。新華社が伝えた。
注文に柔軟に対応 パッケージ業界の産業用ロボットによる自動化プロセスが加速
加工パッケージ業界の人件費の高さ、効率向上の必要性、柔軟な生産スタイルの必要性といった業界の新たな変化に対応して、パッケージ作業ロボット業界が急速な発展期を迎えている。
同展のロボット・自動化展示エリアでは、産業用ロボットメーカーの李群自動化のブースに消費財加工・パッケージ応用ロボットが2台展示された。そのうち「AP異型少量パッケージ食品仕分け箱詰めロボット」には吸盤付きジグが搭載され、さまざまな形状の少量パッケージの食品をスピーディかつ正確に箱詰めしたい企業のニーズに応え、企業のスマート化により大きな可能性を与えるものだ。もう1つの「日用化学品ボトル仕分け取り扱いラインロボット」は、生産ラインの敷地面積が従来型生産ラインより50%少なくて済む。
李群自動化の創業者兼会長の石金博さんは、「一部の製造業企業と食品企業にとって、新型コロナウイルス感染症は企業の産業自動化プロセスを加速させることになった。感染症により海外からの注文・ニーズの一部が大きく変動し、これは企業の労働者ニーズも同時に変動することを意味する。自動化が実現すれば、こうした状況によりよく対応していける」と述べた。
食品メーカーの責任者は、「感染症の影響で、海外からの注文は急に増えたり減ったりした。最も多いときには、従業員を2千人まで増やしたが、海外からのニーズは変動が大きく、注文が減った時には、2千人あまりの人件費が高くついた。そこで自動化を早急に進めなければならなくなった」と振り返った。
関連機関の統計によると、世界の産業用ロボット設置量は2009年の6万台から、19年の37万3千台に増加した。そのうち18年の設置量増加率は6%に鈍化し、19年はさらに鈍化し、これは主に世界で、とりわけアジア地域での主要なロボットの導入先である自動車業界や3C(コンピューター、通信、電子)業界などの売り上げの伸びが鈍化し、関連企業の固定資産投資が減少したためだ。