中米両国は世界により多くの確実性とプラスのエネルギーをもたらすべき

人民網日本語版 2025年01月03日10:33

「安定した21世紀を実現したいのなら、中国と米国は手を携えて協力しなければならない。もし競争と協力が対立に完全に取って代わられたら、両国が混乱した21世紀に直面することになるのは必至だ」。米国のコラムニスト、トーマス・フリードマンは訪中後に執筆した先ごろの記事で、世界が急速に発展する人工知能(AI)や気候変動などの課題に直面していることに言及し、「米国と中国は、世界において他にない、手を携えて希望をもたらすことができる2つの大国だ」と指摘した。(人民日報「鐘声」国際論評)

このような声は、中米両国が担う大国としての責任について米国の有識者が持つ明確な認識と理性的な思考を代表するものだ。現在の世界は動揺し不安定で、紛争が頻発し、人類は未曾有の課題に直面している。大国間の競争が時代の基調であるべきではなく、団結と協力によってのみ、現在の困難を共に乗り越えることが可能となる。中米両国は、現在の状況において、双方間の共通利益は減少したのではなく、むしろ増加したのだということを明確に認識しなければならない。経済・貿易、農業、麻薬撲滅、法執行、公衆衛生などの分野においても、気候変動やAIといったグローバルな課題や国際紛争の問題においても、中米の協力が必要だ。米国の多くの人々は「能力が大きくなるほど、責任も大きくなる」ことを認めており、中国も、大国の大国たるゆえんは「度量の大きさ、器の大きさ、責任感の大きさ」にあると考えている。世界の二大経済大国であり国連安保理常任理事国である中米両国は、常に人類の未来と運命を考え、世界平和にコミットし、全世界に公共財を提供し、グローバルな課題への対処において積極的な役割を果たすべきだ。

今日の時代において、人類は苦楽を共にする運命共同体だ。各国は190艘余りの小舟に乗っているのではなく、運命を共にする1隻の大船に乗っているのであり、互いの発展を挑戦ではなく機会と捉え、相手国をライバルではなくパートナーとし、「同じ地球で助け合う」「団結・協力」「互恵・ウィンウィン」を時代の基調にするべきだ。中国にとってこれは世界を見る際の基本的な出発点であり、中米関係を見る際の基本的な出発点でもある。運命を共にする理念を堅持しているからこそ、中国は常に歴史、人々、世界に責任を持つ姿勢で中米関係を発展させ、「相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィン」の三原則を終始堅持し、中米両国がライバルではなくパートナーであるべきことを主張し、「トゥキディデスの罠」が歴史の宿命ではないこと、「新冷戦」はあってはならずその勝者もいないことを強調しているのだ。中国が中米関係の安定的で健全かつ持続可能な発展を推進すべく尽力し、両大国の正しい付き合い方を模索していること自体が、人類の未来と運命を重視する責任ある姿勢を示している。

大国間の競争は時代の潮流にそぐわず、中米両国や世界の直面する問題の解決にもならない。大国としての責任を共に担い、グローバルな課題への対処において模範を示すことが、中米両国の果たすべき責務だ。過去において、中米両国は主要20ヶ国・地域(G20)の他の構成国と共に、世界金融危機の泥沼から世界経済を救い出し、気候変動に関する「パリ協定」の交渉妥結を共に推進し、地球温暖化対策に新たな希望をもたらした。世界経済の回復が力を欠き、世界的な課題が次々と現れる現在においてはなおさら、中米両国は大国としての責任を前面に押し出すべきであり、相互消耗によって世界に累を及ぼし、他国に陣営選択を強いるべきではない。関税戦争、貿易戦争、技術戦争は歴史の潮流と経済の法則に反し、勝者は存在しない。経済・貿易面の意見の相違を前に、「デカップリング」は解決策ではなく、互恵的に協力してこそ共同発展が可能となる。勢いよく進行する技術革命と産業変革を前に、「科学技術の独占・封鎖、障壁の設置」は大国のすべきことではなく、開放的に共有してこそ人類に幸福をもたらすことが可能となる。中米両国は平等で秩序ある世界の多極化と包摂的な経済のグローバル化を推進し、平和の光が世界をあまねく照らし、発展の成果がより多く、より公平に各国の人々に恩恵を及ぼすようにするべきだ。

「国際問題にはあまりにも多くの変数が存在するが、米国と中国が協力を強化しなければ全世界が窮地に陥るということを我々は知っている」。ある米国の学者は先ごろ、今後の中米関係の行方を分析した際にこう語った。グローバルな課題に対処するにあたり、中米間の協力は万能ではないかもしれないが、中米が協力しなければ絶対にうまくはいかない。米国は大国としての責任を持ち、歴史の正しい側に立ち、中国と向き合って進み、対話と意思疎通を強化し、意見の相違に適切に対処し、互恵協力を拡大し、世界により多くの確実性を注入し、プラスのエネルギーを提供するべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年1月3日

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