中国のインバウンド市場が活況 7ヶ国語の挨拶を独学した成都のタクシードライバー
中国がビザ免除措置を全面的に最適化しているほか、春節(旧正月、2025年は1月29日)が世界中の人々にますます知られるようになっているのを背景に、本場中国で「春節」を過ごすというのが世界で新たなトレンドになっている。外国人観光客が多い都市を見ると、四川省成都市が外国人観光客に最も人気の都市の一つとなっている。旅行サイト・携程旅行が発表した「2024中国人気の旅行先マップ」の外国人観光客の検索が多い都市ランキングを見ると、成都はトップ。中国を訪問する外国人観光客の第一の選択肢となっている。
成都の交通機関の中でも外国人観光客の利用が多いタクシー業界は、「外国語クラス」を急遽開設して、運転手が外国語を学べるようにしているほか、運転手の間で翻訳アプリを普及させて、外国人観光客により良いサービスを提供できるよう取り組んでいる。
英語を勉強するタクシーのドライバーたち。
7ヶ国語を独学したドライバー
微信の連絡先には外国人がずらり
「ペラペラというわけではなく、生かじりで、基本的な挨拶ができるくらい」と話す成都のあるタクシー会社のドライバー・姚剛さん(54) は、ドライバー歴17年。これまで、英語やフランス語、日本語、韓国語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語を独学し、「外国語の達人」と呼ばれている。そして、外国人を乗せた時は、相手の言語で挨拶をして、心の距離を縮めるようにしているのだという。
外国人と記念写真を撮影するタクシードライバーの姚剛さん(写真右端)。
姚さんは取材に対して、「学生の時に英語をちゃんと勉強していたので、仕事をしていた時は、わざわざ勉強したりはしてなかった。でも、タクシードライバーになって、外国人観光客をよく乗せるようになったのをきっかけに、独学するようになった。英語以外の外国語は、外国人観光客としゃべりながら覚えた。そして、せっかく教えてもらったフレーズを忘れてしまった時は、同じ国の人を次に乗せた時に、教えてもらうようにしているうちに、少しずつ上手に話せるようになった」と語った。
姚さんは、「言葉は単なるコミュニケーション・交流のツールではなく、温もりを届け、心の距離を縮め、サービスのクオリティを高めるのに有効なツールだ。例えば、フランス人観光客を乗せた時、片言のフランス語で挨拶すると、乗客にほっとした気持ちになってもらえるほか、会話をはじめる呼び水になる。乗客が車に乗ると、僕はまず国籍を聞いてから、相手の国の文化や特色に合わせて会話するようにしている」という。
外国人と記念写真を撮影するタクシードライバーの姚剛さん(写真右から2番目)
そうして仲良くなった外国人観光客の中には、その後の成都観光で姚さんを「専属ドライバー」にするといったケースも多いという。
姚さんの微信(WeChat)の連絡先には、外国人がずらりと並んでおり、彼らは成都に来てタクシーが必要になると、すぐに連絡をくれるほか、家族や友人が成都に来ることがあれば、姚さんを紹介してくれるという。
グローバル化が進む成都を訪問する外国人観光客はどんどん増えており、タクシー業界は「英語クラス」を開設するようになっている。姚さんより英語が上手なタクシードライバーも多くいるという。
成都を訪問する外国人観光客が増えるにつれて、タクシードライバーを対象にした、英語のトレーニングも積極的に展開されている。成都市のあるタクシー会社の関係責任者は、「当社は今年、英語クラスを何回か開いた。また、英語の単語やフレーズを学べるカードをプリントして、ドライバーに勉強してもらっている。今後も、英語トレーニングを展開するほか、翻訳アプリをダウンロードするようドライバーに要請していく。すでにほぼすべてのドライバーが1つはダウンロードしている。そうすることで、外国人観光客の乗車体験を向上させることができるよう取り組んでいく」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年1月24日
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