【春節カウントダウン!】シリーズ最終回 「蒸す日&徹夜で年越しする日」(旧暦12月29日)
2025年の春節は1月29日。日本では元旦の前に大掃除や買い出しをするが、中国でも春節を迎えるための伝統的な風習が色々あるのを知っているだろうか?中国には北方エリアを中心に、「忙年歌」や「過年謡」と呼ばれる春節前の風習を歌ったわらべ歌のようなものがある。広大な中国だけあって、各地の風習も様々だが、今回はこのわらべ歌をベースに、代表的な風習をピックアップし、7回シリーズで紹介していこう!人民網が伝えた。
今年は旧暦12月29日が大晦日
最終回となる今回は「二十九蒸饅頭(蒸す日)」と「三十晩上熬一宿(徹夜で年越しする日)」。ただし、今年に限っては「大年三十」が無く、同じ日になっている。それはなぜだろうか?
旧暦の1ヶ月は天体の月が満ち欠けする周期に基づいて決められているが、月が地球をまわる周期は約29.5日なので、30日と29日の長さの月を設けて調節する必要がある。その調整の関係で、今年は旧暦の大晦日にあたる「大年三十(旧暦12月30日)」が無い年となっており、旧暦12月29日が大晦日となっている。
蒸すって何を蒸すの?
この日に蒸すのは、旧暦12月28日に発酵させた生地から作ったマントウ(中国式蒸しパン)。中国では伝統的な風習として、新年が明けてから数日は火を使って食事を作ってはいけなかったため、旧暦12月29日に、春節期間中に食べるためのたくさんのマントウを蒸して、来たる春節に備えた。またマントウを上手に蒸しあげることができれば、新年もまるで蒸す時に立ち上がる蒸気のように、上に向かって発展してほしいという願いも込められている。
大晦日は徹夜で新年を迎える日
大晦日は、前の年に別れを告げて新しい年を迎える日で、中国では故郷に帰省し、赤い服を着て、赤いランタンを灯し、「年夜飯」と呼ばれるご馳走を食べて一家団欒を楽しむ。そして、寝ることなく徹夜して新年を迎える。この風習は「守歳」とも呼ばれている。
これは大晦日の夜になると、村に来て人を襲う「年獣」と呼ばれる怪物を追い払うため、人々が夜を徹して見張りをするようになったという伝説に由来している。この「年獣」は、光や甲高い音を嫌うため、大晦日には、ランタンを飾ったり、焚火をしたり、爆竹を鳴らしたりして、怪物を追い払ったといわれている。
また大晦日の夜に家の明かりを灯し続けることで、新しい年の家の財産が豊かになるとされ、邪悪な疫病などを追い払うともいわれている。
現在では、午前0時になると、爆竹を鳴らし、餃子を食べて、旧年に別れを告げ、新年を迎えて、新しい年が幸福に満ちた年になることを願うのが一般的だ。
中国は広く、各地の伝統的な風習も実にバラエティに富んでいる。今回紹介したのは、比較的一般的に広まっている風習の一部に過ぎない。ただいずれにも共通しているのは、新たな年が健やかで、幸せな年であってほしいという人々の願いだと言えるだろう。(文・イラスト・玄番登史江)
「人民網日本語版」2025年1月28日
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