中国の国連大使がディープシークの大反響にコメント「中国の科学研究者の聡明さと才智を過小評価すべきでない」

人民網日本語版 2025年02月06日11:36

中国の傅聡国連大使は現地時間3日、米国・ニューヨークの国連本部で記者会見を行った。

傅大使は中国の人工知能(AI)企業ディープシーク(DeepSeek)が発表した大規模言語モデルおよび中国・米国間のAI協力についての質問に答える中で、「華為(ファーウェイ)からTikTokまで、さらにはディープシークまで、米国は一体どれだけ禁止しようというのか。中国の科学研究者の聡明さと才智を過小評価すべきではない。ディープシークが世界的に大きな反響と一部の人の不安やパニックを引き起こしたことは、技術の抑制や制限には効果がないことを物語っており、これは世界全体、とりわけ米国が明確に認識すべきものだ」と述べた。

傅大使は、「共同で協力し発展してこそ、デジタルデバイドとスマートデバイドを解消することができ、特にグローバル・サウスがAI発展プロセスにおいて平等に恩恵を受けられるようサポートすることができる」と指摘した。

傅大使によると、中国は2月に国連安全保障理事会の輪番議長国を務める間に、多国間主義とグローバルガバナンス、中東情勢、アフリカの多国間情勢などを重点的に取り上げるという。

「米国新政権が相次いで協定や枠組から離脱し、新政権の国連大使が『アメリカ・ファースト』を強調している」ことについてコメントを求められた傅大使は、「今の世界は非常に大きく揺れ動いている時期にあり、いかなる国も、それが米国のように強く大きな国であっても、独善的ではいられない。中米は一連のグローバルな問題に協力して対処する必要がある」と述べた。

傅大使は、「中国を念頭に置くことは、進むべき正しい道ではない。多国間主義と協力・ウィンウィンを堅持することこそが正しい道だ」と強調した。

ディープシークについて

ディープシークは中国のAI企業が開発した大規模言語モデルで、非常に高い自然言語処理能力を備え、問題を理解して回答することができ、コーディング、資料の整理、複雑な数学の問題の解答などをサポートすることもできる。

オープンAI(OpenAI)社が開発したチャットGPT(ChatGPT)に比べ、ディープシークはOpenAI o1(ChatGPT o1)モデルの効果を先駆けて実現し、推論モデルのコストを大幅に引き下げた。新しいAIモデルのディープシーク-R1は、ChatGPT o1レベルのパフォーマンスを10分の1のコストで実現し、海外のAI関係者の間で広く議論を呼び起こした。

北京郵電大学人工知能学院ヒューマンコンピュータインタラクション・認知プロセス実験室の劉偉室長は、「ディープシークの最大の優位性はアルゴリズムの改良と最適化により、計算能力とデータ量の節約を実現したことにある。オープンAIが『大きな力で奇跡を起こした』と言うのであれば、今やディープシークは『小さな力でも奇跡を起こせた』と言えるだろう。つまり、小さな計算能力でも新しい方法によって奇跡を創造できるようになった」としている。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年2月6日

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