グローバル気候ガバナンスの多国間プロセスにプラスのエネルギーを注入

人民網日本語版 2024年11月25日16:50

「国連気候変動枠組条約」第29回締約国会議(COP29)が11月24日、30時間以上の延長を経て閉幕した。会議では、気候資金の「新規合同数値目標」(NCQG)や「パリ協定」第6条の国際炭素市場メカニズムなどの重要な議題に関して、「Baku Climate Unity Pact」というバランスの取れた成果パッケージをまとめた。これにより、発展途上国による気候変動対策の実施、来年の新たな「国が決定する貢献」(NDCs)提出の基礎が固められ、グリーン・低炭素トランスフォーメーションという世界的な大勢が一層揺るぎないものとなった。気候変動という試練を前に人類は運命共同体であり、団結と協力を堅持して共に対応しなければならないことが改めて示された。(人民日報コラム「和音」掲載)

多国間主義は、世界の気候行動の基本的な拠り所であり根本的な打開策だ。中国は多国間主義を断固として守り、常に国連中心の国際体制を維持し、世界の気候ガバナンスにおける主たるチャンネルとしての「国連気候変動枠組条約」の地位を支持している。国際情勢がどう変化しようとも、積極的な気候変動対策という中国の決意と行動が変わることはない。中国は積極的な気候変動対策の国家戦略を揺るぎなく実施し、グリーン発展の道を揺るぎなく歩み、世界のグリーン・トランスフォーメーション(GX)に重要な原動力を提供している。気候変動対策交渉の積極的な推進、「国際ゼロカーボン島嶼協力イニシアティブ』の発表、中国の気候変動対策の経験を国際社会に紹介する「中国コーナー」の設置、豊富なサイドイベントの開催など、COP29の会期中、中国は各国と団結・協力し、実務的な行動で真の多国間主義を守り、実践し、グローバル気候ガバナンスの多国間プロセスにプラスのエネルギーを注入した。ブラジル政府の気候変動担当次官であるアナ・トニ氏は、中国がCOP29の会期中に催した一連のイベントについて、気候変動対策への揺るぎない決意と発展経験を共有する意欲を示すもので、責任ある大国としての責任を果たしたと述べた。

気候変動対策関連の南南協力の枠組みの下、中国は他の発展途上国への支援を続けている。2016年以降、中国は1770億元(1元は約21.3円)以上のプロジェクト資金を提供または呼びかけるなどして、他の発展途上国の気候変動対策を力強く支援してきた。中国は発展途上国41ヶ国と協力覚書50件に調印し、気候変動関連の南南協力研修会を累計58回開催し、気候変動対策分野の専門家2400人以上を育成し、関係国による積極的な気候変動対策をしっかりと支援してきた。国連持続可能な開発ソリューション・ネットワークの責任者で、コロンビア大学教授のジェフリー・サックス氏は、すでに中国はエネルギー・トランスフォーメーションの分野で重要なリーダーとなっており、世界の気候変動対策において不可欠な役割を果たしているとの見方を示した。

気候変動対策は人類全体の共同事業であり、大国間の協力が不可欠だ。中国と米国は「パリ協定」を他国に先駆けて批准し、共同で国連事務総長に批准書を寄託した。また、主要20ヶ国・地域(G20)の枠組みで化石燃料補助金に関する審議報告書を他国に先駆けてまとめ、この地球規模の試練に国際社会が共同で対処するために重要な貢献を果たした。昨年11月にサンフランシスコで中米首脳会談が成功裏に開催された際、気候変動対策における協力の実施が重要な成果の一つとなった。両国首脳の指導の下、双方は「気候危機に対応するための協力強化に関するサニーランズ声明」を積極的に実行し、気候行動強化作業部会を正式に立ち上げた。COP29の会期中、「中米循環型経済専門家共同研究報告書(2024)」など、循環型経済に関する研究成果が初めて発表されたが、これは循環型経済の発展と世界の気候目標の達成へ貢献することを目的としている。相互尊重、相互利益、互いの懸念への配慮を基礎に、中米は気候分野で対話や意思疎通を強化し、互恵協力を検討し、気候変動対策における協力に資する全般的な雰囲気を醸成している。ジョン・ポデスタ米大統領上級顧問(気候変動対策担当)は、米中協力は両国民に恩恵を及ぼすだけでなく、世界全体にもより多くの幸福をもたらすと語った。

地球は人類共通のふるさとであり、空がさらに青く、山がさらに緑に溢れ、水がさらに清らかなクリーンで美しい世界は、人類共通の願いだ。中国は引き続き各国と共に、人類運命共同体の理念を堅持し、気候変動対策の多国間プロセスと国際協力、そして人と自然の調和ある共生を推進し、地球上にクリーンで美しいふるさとを共に構築していく。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年11月25日

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