リチウム電池を「注射」で再生 中国の新発見が「ネイチャー」に掲載

人民網日本語版 2025年02月13日14:11

携帯電話の電池は長期間使用すると十分に充電できなくなる。電気自動車(EV)はフル充電しても走行距離がますます短くなる。寒冷地の電池はより壊れやすく、廃電池の数が増え続ける……。世界トップの学術誌「ネイチャー」は13日付で、ある新技術により、リチウム電池の「精密治療」を行い、廃電池を再生できるとする復旦大学の科学研究チームによる新発見を掲載した。中央テレビニュースが伝えた。

リチウム電池の劣化や減衰などの問題に対応するため、復旦大学の科学研究チームが研究により、電池の寿命は実際には人間の健康に似ており、その問題は多くの場合、活性リチウムイオンというコアコンポーネントに集中することを発見した。失われたリチウムイオンを正確に補充できれば、電池の寿命を大幅に延ばすことができる。このアイデアに基づき、チームは、注射によって電池内のリチウムイオンを補充できる薬品のようなリチウムイオン輸送分子を開発した。

復旦大学高分子科学学部の研究チームのメンバーである高悦氏は、「我々の技術で精密治療が可能になり、使用後に初期の状態に回復することができる。商用リン酸鉄リチウム電池は従来であれば、2000回の使用により容量が低下し、廃棄されていた。この技術があれば、1万2000回の使用後も初期に近い『健康な』状態を保てる」と述べた。

この「薬品」のようなリチウムイオン輸送分子はどのようにして見つかったのだろうか。研究チームは人工知能技術と化学の知識を結びつけ、分子構造と性質をデジタル化した。また有機化学や材料工学技術などの大量の関連知識を取り込みデータベースを構築し、複数の実験を経てこの新たなリチウムイオン輸送分子を取得した。

高氏は、「この分子は市販される電池の修復効果が非常に高く、コストが非常に低いだけでなく、新しいグリーン電池の開発にも役立つ」と述べた。

同技術は現在すでに複数種類の電池のテストに合格しており、世界トップの電池企業とも協力している。一日も早い実生活への応用が期待されている。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年2月13日

注目フォトニュース

関連記事