浙江省、ドローンで都市の「空の目」を構築
火災警報が消防救援大隊指揮センターで鳴り響くと、火災現場から最寄りのドローンポートが直ちに動き出し、煙が立ち込める芝生の火災現場へと急行。リアルタイムで伝送される映像を通じて、指揮センターの管制担当者はサーマル画像で火災状況を把握。「周辺に隣接する建物なし、北側50メートルには自然の川があり、延焼の恐れなし、鎮火可能」との情報が即座に現場に向かう消防車隊に伝わった。中国新聞網が伝えた。
これはこのほど浙江嘉興秀洲消防隊がドローンポートを導入してから初の実戦だった。
3月、指揮センターでドローンが伝送した現場の映像をチェックする浙江省嘉興市秀洲区の消防隊員。画像提供:秀洲区消防救援局
この「空と地上のスピード競争」において、ドローンポートが芝生の火災警報を受けてから離陸し現場に駆けつけるまでに4分半かかったのに対し、専任消防隊が出動するまでに9分もかかった。浙江省嘉興市秀洲区消防救援局指揮センターの張康氏は、「今回の行動で、ドローンポートはその優れた機動性で反応速度が際立ち、後続の消防隊の正確な展開にリアルタイムの情報支援を提供した。従来の火災監視手法と比べると、ドローンポートの情報伝達速度が消防隊に質的な飛躍をもたらしたことは間違いない」と説明した。
秀洲区の8ヶ所のドローンポートでは、こうした迅速な反応が常態化している。これらのドローンポートはスマートな見張り番のように工場密集エリア、住宅火災のハイリスクゾーン、人が密集する場所などの消防重点エリアを警戒し、格納庫内のドローンは常に待機状態にある。秀洲区政务航空システムが2024年12月に完成して以来、全域連携のドローン緊急対応体制を構築した。
8ヶ所のドローンポートは13日午後5時時点で、累計965回の巡回飛行を実施した。飛行時間は7911分、総飛行距離は2133.8キロメートル、早期警報記録は2819件にも達した。これらのデータの裏側には、都市安全に貢献するドローンポートの強力なデジタル原動力がある。これらは都市の空の目のように常に都市の安全を監視し、住民の安全な生活を支える堅固な防壁となっている。
嘉興国家ハイテク産業開発区(秀洲区高照街道)ドローンポート拠点では、この画期的な技術の独特な優位性を目の当たりにした。自動化とスマート化の特徴を持つドローンポートは、緊急事態発生時に即座に事前設定地点からドローンを発進させることができる。現場状況に応じて飛行高度・角度・速度をリアルタイムで調整し、監視の死角をなくすための全面的・多角度の動画撮影を行う。出動指令を受けたドローンは、指揮センターが設定したルートに基づき直ちに火災現場に駆けつけ、火災状況をリアルタイムで地上に伝送する。
今年2月の秀洲区ドローンポート。画像提供:秀洲区消防救援局
張氏は、「指令を受ければドローンは自動で離陸し、ドローンポートに帰還し充電を行い、次の出動に備える」と述べた。
ドローンポートの応用シーンは現在、公安や消防から全域緊急対応に広がっている。都市監督管理の面では工事現場の土砂崩れや粉塵などの監視に用いられ、関係当局に法執行のためのタイムリーで正確な根拠を提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年3月18日
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