中国式ロマンを表現する「サイバー花火」

人民網日本語版 2025年02月17日10:50

へび年春晩の重慶会場でのドローンショー。画像提供は大漠大智控技術有限公司

へび年春晩の重慶会場でのドローンショー。画像提供は大漠大智控技術有限公司

へび年の春晩(春節<旧正月>を祝う中国の国民的年越し番組)の重慶会場で3000機のドローンが夜空に舞い上がり、「サイバー花火」が鮮やかに咲き誇り、幻想的な雰囲気になった。熱々の火鍋から巨大唐辛子が飛び出し、中欧班列がタイムトンネルを駆け抜け、山茶花や春節の提灯などが続々と登場し、先端技術によって中国式ロマンが表現された。人民日報が伝えた。

夜空を彩る「サイバー花火」は、ドローン編隊を活用し、テクノロジーとアートが融合した新たなパフォーマンスだ。これらの「空中の役者」は、広東省深セン市の大漠大智控技術有限公司(大漠大)によるものだ。

舞台からわずか50センチの低空で、整然とホバリングするドローン編隊は、舞台と一体化していた。スタッフによると、衛星測位やRTK(リアルタイムキネマティック)技術などにより、大漠大のドローン編隊はミリ単位の測位能力を持つ。

大漠大は2024年9月に深セン湾で1万197機のドローンを用いたショーを行い、「1台のコンピューターで制御された最多の同時飛行ドローン数」および「最多のドローンによる空中アート」の2つのギネス世界記録を樹立した。数年前の珠海でのパフォーマンスと比べドローンの数が3倍以上に増加したが、設営にかかる人手は半減し、必要なスペースも大幅に縮小された。

またドローン編隊の離陸は平坦な地形が求められるが、高度差がパフォーマンスの効果に影響を及ぼし、さらには衝突のリスクもあるため、1機ごとに異なるデータの調整を行わなければならない。技術チームは絶対標高高度測位ソリューションを開発し、地形の制約を克服した。飛行ルートの最適化アルゴリズムも進化した結果、30分かかっていたルート計算がわずか3分に短縮され、効率が10倍向上した。

大漠大の劉漢斌会長は、「ドローン1機は1人の役者に相当する。確かな技術的支援があるためより大きな想像の世界が広がる。日増しに固まる技術的基盤により、さらに多くの自由な発想が実現されるだろう」と述べた。

ドローンショーの芸術表現はすでに、単純な視覚的インパクトを超えている。業界では音楽、ダンス、演劇などとのコラボが積極的に模索され、多元的かつ融合的な表現方法により没入感のある体験が生み出されている。テクノロジーが文化と出会い、イノベーションが伝統を包み込む。夜空を舞ったドローンはやがて帰還するが、空に刻まれた文化のシンボルは、観客の心に美しい記憶として残るだろう。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年2月17日

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