中国初のリサイクル可能な風力発電ブレードが出荷

人民網日本語版 2025年04月01日13:50

中国中車股份有限公司傘下の株洲時代新材料科技股份有限公司(時代新材)が独自開発した中国初のリサイクル可能な熱硬化性樹脂製ブレード「TMT82」が時代新材の射陽工場から正式に出荷されたことが3月27日、同社への取材で分かった。同ブレードの出荷と運用は、中国の風力発電業界における廃棄ブレードのリサイクルの空白を埋めた。科技日報が伝えた。

時代新材風力発電製品事業部開発センター副センター長の陳煌氏は、「TMT82は大型風力発電機用に設計されたブレードで、長さは82メートル、受風面積は標準的なサッカーコート3面分に相当する2万1000平方メートル以上」と説明した。

陳氏は、「TMT82はリサイクル可能な熱硬化性樹脂とガラス繊維複合材料で構成されており、その外形は精密な空気力学最適化を経ており、飛行機の翼に似た流線型デザインを採用し、風エネルギーを効率的に捕捉できる」と述べた。

従来のブレードは一般的に、普通熱硬化性樹脂で製造され、内部の分子構造が網目状になっており、溶解も溶融もしない。そのため廃棄後に多くが焼却・埋立や物理的破砕処理が行われ、価値が低く二次汚染を引き起こしやすい。

陳氏は、「TMT82は革新的に可逆化学結合樹脂システムを採用し、従来のエポキシ樹脂の機械的性能を維持しつつ、方向性ある化学解重合技術を通じ樹脂―繊維の効率的な分離を実現することで、ブレード材料リサイクルの目的を達成する」と述べた。

TMT82の大規模な応用は、経済、生態、社会に大きな利益をもたらす。

陳氏は、「TMI82を搭載した1基の4キロワット(kW)風力発電機は、中国の陸上風力発電の年間平均有効利用時間2500時間で計算すると、年間発電量が約1000万キロワット時(kWh)で、4000世帯分の年間電力を賄える」と例を挙げながら説明した。

それだけでなく、TMT82を廃棄する際の固形廃棄物が大幅に減少し、有毒・有害ガスの放出を効果的に回避できる。陳氏は、「従来のブレードの固形廃棄物処理方法と比べると、TMT82の全ライフサイクルにおけるカーボンフットプリントを26%以上削減できる。廃棄されたブレードを適切なサイズに切断し、温和な条件下で樹脂の解重合が完了した後、リサイクルされた再生樹脂は、ハンドレイアップ樹脂やエポキシ床材などの製造に直接利用でき、大きな経済的価値を生み出す」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年4月1日

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