橋の「スパイダーマン」が持つ技とは?

人民網日本語版 2025年05月06日16:09

重慶市の郭家沱長江大橋で先ごろ、吊橋主ケーブル点検ロボット「登攀者2号」の応用テストが行われた。このスパイダーマンのようなバイオニックロボットは8つの「爪」のようなグリッパを用い、鉄筋製の橋梁主ケーブルにしっかりと取りつき、そのスマート点検を行った。登攀速度は1分当たり5−10メートルで、航続能力は6−8時間に達し、登攀メカニズムにより安全性と落下防止を確保している。中央テレビニュースが伝えた。

深セン市人工知能・ロボット研究院、ロボットシステムセンター副センター長の劉鵬飛氏は、「200本の斜張ケーブルを有する大型橋梁を例にすると、人手による作業では通常20日前後かかり、通行止めが必要である上、20−30メートル以内の高さしか点検できない。最新の斜張橋ロボットは複数台を同時に動かすことができる。つまり現場の施工チームは2人で、同時に3−4台のロボットを同時に操作でき、5日前後で大橋の点検が完了する。また通行止めの必要もない」と説明した。

「登攀者」には9つの視覚センサーが搭載されており、360度の画像収集が可能だ。ケーブルの表面を通じ破損の有無を約95%、0.2ミリメートルの精度で正確に識別できる。研究チームはその安定的な稼働を実現するため、5年の研究開発において数々の技術的難題を解決した。

劉氏は、「この主ケーブルロボットの場合、まず課題となったのはそのグリッパシステムだ。頂点に近づくと傾斜角度が非常に大きくなるため、どのようにして落下することなくより安定的に登れるようにするかが、その構造上の課題となった。次に、ソフトウェアとスマートアルゴリズムの部分で、劣化状況をより正確に識別する必要があった。主ケーブルの下半分はちょうど雨水が溜まり汚れやすい場所で、水や汚れの跡と実際の傷や損傷を見分けるために、橋梁劣化状況データベースを作り、正確に識別する必要があった」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年5月6日

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