中米の経済・貿易関係は相互補完、共生・ウィンウィン
中米経済貿易協議の初会合が現在、英国のロンドンで開催されている。これは、双方が対等な対話と協議を通じて意見の相違を解消する新たな重要な機会だ。中米各界と国際社会は、双方が両国首脳の電話会談で得られた共通認識をしっかりと実行に移し、両国の発展と世界経済の回復にさらなる確実性と安定性をもたらすことを期待している。(人民日報「鐘声」国際論評)
対話と協議を推進するには、両国の経済・貿易関係を理性的かつ客観的に捉える必要がある。中米の経済・貿易協力は数十年にわたる発展を経て、すでに互いの強みによる相互補完、互恵・ウィンウィンの構造を形成している。統計を客観的に分析すれば、中米間の経済・貿易関係による利益はおおむねバランスが取れていることが分かる。
米側は中国との物品貿易において赤字を抱えるが、これは米国経済の構造的問題による必然的な結果であり、同時に両国の比較優位性及び国際分業体制によって決定づけられるものでもある。サービス貿易と国際経営の分野では、米側が明確な優位性を備えている。米国の対中サービス貿易黒字は2024年、273億ドル(1ドルは約144.5円)にも達した。また、2022年の米国系企業の中国における売上は4905億ドルにも達し、中国系企業の米国での売上786億ドルを遥かに上回り、その差は4000億ドル以上に達する。物品貿易、サービス貿易、自国企業の現地法人の売上という3つの要素を総合的に考慮すれば、中米の経済・貿易関係において「一方が損をし、他方が得をする」という構図は存在しない。
中国は貿易黒字を追い求めているわけではない。実際には、中国の経常収支黒字の対GDP比は、2007年の9.9%から2024年には2.2%へと低下している。米国の経済収支を見てみると、米国の物品貿易全体の赤字に占める対中赤字の割合は、2018年の47.5%から2024年には24.6%へと減少した。一方、米国の対世界物品貿易赤字総額は記録を更新し続けており、2024年には1兆2000億ドルに達した。これは、米国の物品貿易赤字の主因が米国自身の経済構造にあることを改めて証明するものだ。
米国の対中物品輸出の潜在力が十分に発揮されていないのは、米国自身の政策が大きく関係している。米国の比較優位性はハイテク産業にあるが、近年は国家安全保障の概念を濫用して、経済・貿易問題を政治問題化している。ジュネーブでの中米経済貿易会談後も、米国はコンピューティングチップ輸出規制ガイドラインの発表、EDAの対中輸出の停止など新たな対中差別的規制措置を次々と打ち出した。こうした規制措置によって、米国企業は中国市場での機会を失っている。「科学技術の独占・封鎖、障壁の設置」や「デカップリングとサプライチェーンの分断」は経済法則に反し、両国企業の正常な経済・貿易活動を妨げるということを、事実は繰り返し証明している。
中国は揺るぎなく高水準の対外開放を推し進め、積極的に輸入を拡大し、米国を含む世界各国により多くの機会を提供してきた。中米の経済・貿易関係の実態は、強みによる相互補完、共生・ウィンウィンだ。人為的に設けられた「鉄の柵」を撤去し、経済・貿易協力の「双方向通路」を円滑にしてこそ、中米の経済・貿易関係の安定的かつ健全な発展の推進が可能となる。
世界第2位と第1位の経済大国である中国と米国の経済・貿易協力の強化は、各々の発展に資するだけでなく、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの安定にとっても重要な保障となる。
我々は、対等な協議と実務協力を通じて、中国と米国は互恵・ウィンウィンの解決策を見出すことができると信じる。双方が共に努力して、両国企業の正常な経済・貿易活動のために有利な条件を整え、協力の成果が両国民により良く恩恵をもたらすようにし、世界経済の回復と成長により大きく貢献することを願っている。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年6月10日
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