台風の襲来を受けても高さ600mの広州タワーが安定を保つワケは?
超大型台風18号(ラガサ)の襲来を受け、広州の複数の区が仕事、授業、市場、屋外活動、交通機関の一時停止を発表する中、広州タワーの制振制御システムは24日、最も重要な局面を迎えた。同日に撮影された映像を見ると、制振ダンパーが作動しているのが見られ、その装置のおかげで、高さ600メートルの広州タワーは台風の襲来を受けても安定を保っていた。
制振ダンパーの正式名称は「動吸振器」で、科学普及遊覧ホールになっている広州タワーの109-110階に設置されている、広州タワーの制振制御システムの重要な部分だ。その総重量は1200トンで、ボーイング747型機5機の重量に相当する。強風や地震が発生し、タワーが傾くと、制振ダンパーが自動的にその反対方向へと移動し、振動を大きく低減させることができ、タワーの重心のバランスを取り、安定させるために用いられる。また、火災防止や災害対策にも使われる。
さらに、広州タワーには、構造ヘルスモニタリングシステムがあり、タワー本体の5つの主要な断面を選定し、数百個のセンサーと設備が取り付けられ、タワーの構造応力・変形状況および環境パラメーター、荷重(風、地震など)をリアルタイムで監視している。システム分析を通して、潜在的なリスクを速やかに発見し、適切なメンテナンスプラン計画を提示することで、タワーの構造的な安全性と安定性を確保している。
このほか、広州タワーのメッシュ構造は、風が空洞を通り抜けることで、風が建物に与えるダメージを軽減し、建物が風の被害を受けないようにしている。タワーの頂上部は高さゆえに最も大きな風力を受けるため、風が直接通り抜けるようにして、荷重を減らすため、頂上部はさらに目の粗いメッシュ構造に設計されている。タワーの中腹部は航空機の構造的特徴を模倣し、表面積を最小限に抑えている。上部構造の重力を支えるため、中腹部の鋼構造設計は最も密になっている。タワーの底部は、風の影響が小さく、広い土台がタワー全体の重量を支え、最大限の安定性を提供している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年9月28日
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