媽祖が千年以上にもわたり、人気を集めて続けている理由とは?

人民網日本語版 2025年11月06日15:30

福建省湄洲島の「女神」こと媽祖は近年、名実相伴うトップスターになっている。媽祖が専用の身分証明書を携帯して海外に行ったというニュースがSNSで大きな話題となった。またその擬人化されたキャラクターは二次元界隈でホットなグッズになった。さらに「媽祖調停室」により、末端の紛争調停が効率化されている。そして海峡を越えて媽祖のルーツを訪ね、参拝に訪れる人は毎年、数え切れないほど多い。世界の3億人を超えるファンによって、その影響力が五大陸に及んでいる。この西暦960年に生まれ28歳で亡くなった漁師の娘が、千年の時を経ても、依然として活力に富んでいるのはなぜだろうか。

莆田市湄洲島の媽祖像(撮影・林春盛)。

莆田市湄洲島の媽祖像(撮影・林春盛)。

媽祖精神の真髄は「立徳、行善、大愛」で、時代と共に共鳴し続けてきた。媽祖は天文に関する知識に富み、泳ぎが得意で、医術に精通しており、生前はしばしば漁師を救助していた。庶民らしさと人情味により、媽祖は民間で深い信仰の基礎を築いた。そして現代においては、革新的で包摂的な文化の表現によりZ世代の間でファンを獲得している。漫画「非人哉」における博学・博愛で、メイクとグルメを好むイメージは、伝統的な神というステレオタイプを打ち破り、媽祖をより立体的に、親しみやすくしている。

毎年、国内外から湄洲の媽祖を参拝に訪れる多くの人々(撮影・林盈)。

毎年、国内外から湄洲の媽祖を参拝に訪れる多くの人々(撮影・林盈)。

媽祖文化は両岸同胞を結ぶ心の絆だ。1989年、台湾・宜蘭の漁船20隻が台湾同胞224人を乗せ、媽祖神像を迎えようと湄洲島を訪れたことで、両岸の40年間に及んだ隔絶を打ち破った。1997年には、湄洲媽祖の金身が台湾地区を102日間にわたって巡り、両岸で大きな反響を呼んだ。今年はすでに約1千の団体、延べ1万6千人の台湾同胞が湄洲祖廟を参拝している。媽祖は両岸の心を結ぶ「共通項」と融合発展を後押しする重要な力になっている。

第10回世界媽祖文化フォーラムで、中国初の海上風・波浪観測衛星が「媽祖号」と命名された命名式の様子(撮影・林盈)。

第10回世界媽祖文化フォーラムで、中国初の海上風・波浪観測衛星が「媽祖号」と命名された命名式の様子(撮影・林盈)。

媽祖文化は新時代においても革新的な発展を続け、各分野で新たな命を手にしている。第10回世界媽祖文化フォーラムでは、福建と台湾地区の交流、生態保護、デジタル化伝承などが議論され、媽祖文化の創造的転化の動きが顕著だった。「媽祖」の名を冠する全民早期警戒プランや海洋数値予報モデルが相次いで登場した。2027年に打ち上げ予定の中国初となる海上風・波浪観測衛星「媽祖号」は、東洋の知恵で世界の海洋ガバナンスを支援することになる。

媽祖文化の影響力は世界を融合し、古今を貫く。媽祖文化は600年以上前にも鄭和の船隊によって遥か海を越えて広まった。現在は「一帯一路」(the Belt and Road)と共に民心相通じるの絆を織りなしている。媽祖文化の生命力は万象を網羅する。海洋生態保護や海上安全協力などの世界的な海洋ガバナンスへの対応においては、独特な中国の知恵と文化的視点を提供している。また、人類運命共同体の構築の道においては、中華民族の文化の自信を示し、世界文明の交流と相互学習を促進している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年11月6日

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