中国、核融合分野の国際科学計画を始動

人民網日本語版 2025年11月25日12:13

中国科学院「燃焼プラズマ」国際科学計画プロジェクトが24日、安徽省の合肥未来大科学城にあるBEST装置ホールで正式に始動した。また、コンパクト型核融合エネルギー実験装置BESTの研究計画も同時に全世界へ向けて発表された。フランス、英国、ドイツ、イタリアなど10数カ国から集まった核融合科学者が共同で「合肥核融合宣言」に署名した。科技日報が伝えた。

太陽の核融合反応を模倣してエネルギーを取り出す核融合エネルギーは、人類の「究極のエネルギー」とされている。BEST装置は、中国の新世代「人工太陽」に位置づけられる。研究計画によれば、同装置は2027年末に完成した後、重水素・トリチウムの燃焼プラズマ実験研究を行い、長パルス定常運転の能力を検証する。核融合出力20〜200メガワット(MW)の達成と消費エネルギーを上回るエネルギー産出を目指し、2030年には核融合発電の実証を図る計画だ。

今回の燃焼プラズマ国際科学計画は、中国科学院合肥物質科学研究院プラズマ物理研究所(以下「プラズマ所」)が中心となって発起したもので、中国・欧州核融合研究チームが世界に向けてBEST研究計画を共同発表した。国際核融合分野の協力資源をさらに統合し、核融合科学者の知恵を結集し、オープン研究基金の設立、国際学術会議の開催、共同実験プラットフォームの構築、国際的な人材育成などを通じ、核融合物理の最先端課題をめぐって共同研究を展開していく。

中国科学院合肥物質科学研究院副院長で、プラズマ所の宋雲涛所長は、「今日この計画を発表したことは、より多くの国際科学者と中国の核融合科学者が手を携え、人類の未来エネルギーに関わる中核的な科学・工学課題の解決に向けて共に努力することを意味している」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年11月25日

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