10月のCPIが前年比でマイナスからプラスに転じたことの意味
国家統計局のデータによれば、10月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同期比で0.2%上昇し、マイナスからプラスに転じた。前月比でも0.2%上昇し、上昇幅は拡大を続けている。CPIに現れたこの前向きな変化をどう見るべきか。

まず、CPIの前年同期比がマイナスからプラスに転じた主要因を分析する。
第一に、サービス価格の上昇幅拡大による牽引だ。サービス価格は今年3月から徐々に回復し、10月には同0.8%上昇し、上昇幅は前月より0.2ポイント拡大した。
第二に、工業消費財価格の回復による影響だ。10月、エネルギーを除いた工業消費財価格は2.0%上昇し、上昇幅は6ヶ月連続で拡大した。
CPIの前年同期比がマイナスからプラスに転じたことから、経済運営に現れたいくつかの積極的な変化が感じ取れる。
■経済運営は「安定の中で成長」
CPIが前年同期比でマイナスからプラスに転じたのは、結局のところ市場の需給関係の改善によるものであり、マクロ経済が着実に運営され、「安定の中で成長」したおかげだ。
この判断は、他のマクロ経済指標によっても裏付けることができる。一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の付加価値額は前年同期比4.9%増、サービス業生産指数は同4.6%増、社会消費財小売総額は同2.9%増といった具合に、10月の国民経済は「安定の中で成長」という発展基調を継続した。
■消費の高度化傾向が持続
CPIが前年同期比でマイナスからプラスへ転じた背景では、サービス価格が重要な役割を果たしており、これは住民消費の高度化傾向を反映している。中国の住民消費は現在、物質型消費からサービス型・品質型消費への加速度的な高度化という重要な段階にある。
伸び率を見ると、1~10月期のサービス小売額は5.3%増となり、同期の商品小売額の伸び率を0.9ポイント上回った。
傾向を見ると、1~10月期のサービス小売額の5.3%増という伸び率は、第1~3四半期(1-9月)の伸び率を0.1ポイント上回った。
この2つのデータはサービス消費の旺盛な活力を裏付けており、サービス消費はすでに住民消費の重要な成長分野となっている。
■マクロ政策の効果が顕著
CPIが前年同期比でマイナスからプラスに転じたことは、消費財の買い替え促進や消費てこ入れ特別措置などの政策が効果を発揮したことと切り離せず、マクロ政策の巨大な効果が改めて示された形だ。
関係当局は最近、地方政府の総合財力補填と有効投資拡大のため、5000億元(1元は約22.0円)規模の新規政策金融ツールを導入。また、民間投資の活力をさらに喚起するため、13項目の政策措置を打ち出した。既存の政策と新規の政策の相乗効果により、経済を上向かせる推進力は今後も強まり続けるに違いない。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年11月26日
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