生涯における要介護期間は女性のほうが長い 最新研究結果

人民網日本語版 2025年12月05日14:35

中国工程院の院士である北京大学の董爾丹教授と同じく北京大学の曾毅教授、姚堯研究員が筆頭となったチームが、華中科技大学、大阪大学、香港大学などのチームと共同で、中国の高齢者1万1000人以上を対象に13年間に及び行った追跡調査を分析したところ、女性は寿命が延びているものの、寝たきりなどの原因から体の自由がきかない期間も男性より長いということが分かった。関連の研究結果は国際学術誌「The Lancet Public Health」に掲載された。科技日報が伝えた。

同研究は、国際学界が特に注目している「男女の健康—生存パラドックス」を深く分析している。世界的に、女性の寿命は男性より長い傾向にあるものの、健康状態は理想的ではなく、病気を抱えながら生存している期間が男性より長くなっている。データによると、65歳の時、女性の平均余命は18.18年となっており、男性の15.50年より長い。しかし、自立した生活を送れる期間「健康寿命」を見ると、男性が11.29年なのに対して、女性は10.35年と、男性のほうが長くなっている。つまり、体の自由がきかない期間は女性が7.83年であるのに対して、男性は4.21年ということになる。女性は寿命こそ長いものの、より長い要介護期間を経験することになる。

研究では、ライフスタイルへの介入の効果は男性のほうが高いことも分かった。データによると、バランスの良い食習慣や定期的な運動、タバコを吸わない、飲酒を適切な範囲にとどめるといった健康的なライフスタイルに関する習慣を、3-4種類保っている男性を見ると、0—1種類しかない男性よりも、健康寿命が平均2.45年長かった。一方の女性は2.09年長くなっていた。

その他、社会のサポートも、女性の健康寿命を延ばす要因となる可能性がある。女性の健康寿命と社会環境の改善には、より密接な関係がある。経済的保障や教育の機会、医療のアクセシビリティ、居住環境、社会関係という5つの項目を見ると、4—5項目において良好な状態の女性の健康寿命は、良好でない状態の女性と比べて1.95年長い。男性は1.67年長くなっていた。

この研究成果に基づいて、専門家チームは、全国民健康ライフスタイル計画を推進し、社会の下支え体系を整備し、「医療と介護の連携」と「コミュニティにおける健康促進」の共同発展を促進するほか、男女で差別化した健康関連の政策を模索することを提案している。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年12月5日

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