四川省都江堰で2億年前の恐竜足跡を初発見

人民網日本語版 2025年12月08日16:18

四川省都江堰市で、古生物学者が約2億年前に恐竜が残した「時を超えた足跡」を発見した。

中国地質大学(北京)地球科学・資源学院の准教授で、四川自貢恐竜博物館の特任研究員でもある邢立達氏率いる専門家チームは最近、四川省都江堰市九鼎大道付近の岩壁に残る複数の恐竜足跡を含む脊椎動物の足跡遺跡について予備調査を実施し、最終的に20個以上の古動物足跡化石を確認した。これらは三畳紀後期、約2億年前のものと推定されることが12月6日、同専門家チームへの取材で分かった。

岩壁に残された複数の恐竜足跡。(画像提供:取材先)

岩壁に残された複数の恐竜足跡。(画像提供:取材先)

邢氏は、「今回、都江堰で恐竜の足跡化石が発見されたのは初めてであり、恐竜の初期進化を読み解き、古環境を復元するうえで重要な実物の手がかりとなる」と説明。

この遺跡は、都江堰市九鼎大道付近の堆積岩の岩壁に位置する。最初に発見したのは11月23日にこの地域をハイキングしていたアウトドア愛好家だった。その後、邢氏のチームが詳細な鑑定を行い、これらが約2億年前の三畳紀後期の地層由来であることを確認した。

邢氏によると、予備調査の結果、この岩壁には大小さまざまな足跡が20個以上確認され、主に三つのタイプに分類された。中・大型の獣脚類の足跡、小型の獣脚類の足跡、そしてキロテリウムの足跡だ。前二者の足跡を残したのは恐竜で、キロテリウムの足跡を残したのは主竜類と考えられる。

岩壁に残されたキロテリウム類の足跡。(画像提供:取材先)

岩壁に残されたキロテリウム類の足跡。(画像提供:取材先)

獣脚類の足跡は肉食恐竜が後肢で歩行した際に残した典型的な三本指の足跡で、趾先には一般的に鋭い爪痕が見られる。恐竜の運動様式や行動、生態を知る上で重要な遺跡学の証拠だ。一方、キロテリウムの足跡は三畳紀の原始的な爬虫類が残した足跡化石で、人の手の形に似ていることから知られ、特に第五趾(外側の指)が大きく外側へ向く特徴は長らく学界の論争を引き起こしてきた。その足跡を残したのは偽鰐類などの初期主竜類の可能性があるとみられている。

岩壁に残された獣脚類の足跡。(画像提供:取材先)

岩壁に残された獣脚類の足跡。(画像提供:取材先)

邢氏は、「この足跡化石地点は非常に貴重だ。少なくとも四つの地層に足跡が保存されており、この場所で恐竜が長期間生息し、密集して活動していたことを示している。さらにさらに驚くべきことに、研究チームは足跡周辺で、その場に埋まった状態の木化石も発見した。倒れた木の棒や直立した直立した切り株が岩層中にそのまま残り、2億年以上前の古環境を静かに伝えている」と話す。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年12月8日

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