中国の科学者、甘粛省で1億年前の恐竜の「美しい足跡」を発見

人民網日本語版 2025年01月09日10:38

中国地質大学(北京)、甘粛農業大学、甘粛省博物館の研究チームは6日、甘粛省靖遠県烏蘭鎮で発見された今から1億年以上前の複数の恐竜の足跡が、白亜紀の斯氏蹺脚竜のものであることが確認されたと発表した。この発見は斯氏蹺脚竜の足跡の中国における広範な分布に新たな科学的証拠を提供し、重要な科学研究の価値がある。同成果はこのほど、国際的学術誌「ヒストリカルバイオロジー」にオンライン掲載された。新華社が伝えた。

これらの恐竜の足跡は保存状態が良好で、12本の歩行跡を構成し、今まで発見された恐竜の足跡の中では珍しい。中国地質大学(北京)の邢立達准教授は、「これらの足跡からは、恐竜の足の裏の鱗が擦った跡まで見られ、細部まで『美しく』保存されている。推測によると、これらの足跡を残した恐竜の臀部の高さは0.6−0.9メートル、体長は最大2.5メートルに達し、歩行時にはほぼ一直線に歩いていた」と述べた。

烏蘭鎮の現場に足跡を残した恐竜の復元図(画像提供は取材先)

烏蘭鎮の現場に足跡を残した恐竜の復元図(画像提供は取材先)

中国西北地域の白亜紀河口群は、四足動物の足跡の数が豊富で、多様性が高い白亜紀地層で、多くの恐竜の足跡が残されている。烏蘭鎮の足跡地点は崖の岩層底部に位置し、面積は約6.2平方メートル。科学研究者によると、岩層で発見された恐竜の足跡は3本指で、少なくとも67個ある。長さは11−21センチメートルの間で、その形態学的特徴は斯氏蹺脚竜の足跡の特徴と一致する。

これらの大きさが近い足跡は12本の歩行跡を構成し、その一部は互いに平行で同じ向きをしている。復元された3Dデータシミュレーションによると、これらの体型が近い獣脚類恐竜は歩行速度で進み、前進する時に相対的に密集した隊列を組んでいた。

恐竜の足跡のアップ(画像提供は取材先)

恐竜の足跡のアップ(画像提供は取材先)

甘粛農業大学の李大慶教授は、「これはこの種の恐竜が集団行動をしていた可能性が高いことを物語っている。互いに近づくことで各個体がそれぞれ警戒しなければならないという負担を軽減し、天敵からの捕食を回避するためだ」と述べた。

邢氏は、「今回の発見は斯氏蹺脚竜の足跡の形態及び行動学を深く理解する新たな手がかりを提供している。これはまた、烏蘭鎮が白亜紀河口群の足跡が集中するエリアの一つになったことも示している。技術的に復元された後の恐竜たちは白亜紀の恐竜生活の一コマを生き生きと示しており、またこれらの先史時代の『スターたち』の実際の姿をよりはっきり確認することができる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年1月8日

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